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ジェントルマン gentleman

翻訳|gentleman

百科事典マイペディアの解説

ジェントルマン

歴史的には中世末期以降の英国で大きな政治的・経済的役割を果たした社会層。おもに地代収入によって特有の生活様式,教養などを維持した有閑層で,その内容は時代によって変化したが,貴族と,大多数の身分的には庶民である〈ジェントリーgentry〉からなった。また大地主以外でも開業医,法律家,聖職者や富裕な商人なども含むことがあった。荘園制の解体の中で農業経営によって富を蓄積し,中世末には地方政治をにない,近代絶対主義時代には中央政治に進出,名望家支配の体制を固め,17世紀以降の市民革命に際しても多大の役割を演じた。ブルジョアジー台頭後は中産階級以上の地位・財産・教養をもつ者(紳士)を広くさし,単なる尊称としても用いられるようになった。
→関連項目アマチュアリズム郷紳自転車スクワイアビクトリア時代ヘンレー・レガッタ

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デジタル大辞泉プラスの解説

ジェントルマン

山田詠美の長編ミステリー小説。2011年刊行。2012年、第65回野間文芸賞受賞。

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世界大百科事典 第2版の解説

ジェントルマン【gentleman】

中世末から近代初頭に成立したイギリスの社会層。16世紀以来のイギリスの支配的階層であるが,その具体的な内容は時代によって微妙に変化している。本来のジェントルマンとは,地代収入によって特有の奢侈(しやし)的な消費生活や教養,政治活動を中心とする行動様式などを維持しえた有閑階級のことである。基本的には,公侯伯子男という爵位をもつ貴族と,身分的には庶民であるが,貴族と同様に〈家紋つきコートcoat of arms〉の使用を認められていた〈ジェントリーgentry〉とがその構成員であった。

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世界大百科事典内のジェントルマンの言及

【イギリス】より

…しかし,この国の歴史におけるイングランド勢力の膨張にともなって,イギリスという呼称は地域のうえで,〈イングランドとウェールズ〉,スコットランドを含めた〈グレート・ブリテン〉,さらにはこれにアイルランドを含め,また次にこの国の海外植民地獲得に応じて,〈大英帝国〉(あるいはイギリス連邦)までを含む広範な地域をさして,無差別な,漠然かつあいまいな使われ方をしている。そして幕末開国以来の日本人のイギリス観を支配したのは,日本と同じこの小さな島国の強大化の理由を探ろうとする視角であり,植民地帝国,〈世界の工場〉,立憲君主制の下での議会政治,ジェントルマンの国といったイギリスのイメージが日本人に定着していった。 しかしながら,かかるイギリス観の基底には,二つの誤解が存する。…

【紳士】より

…今日では身だしなみのよい上品な人を広くさすが,本来,搢(縉)紳(しんしん)という中国語からきており,搢紳の士を略したもの。搢(縉)は挿,紳は帯を意味し,官位にある者の象徴である笏を帯に挿していた官吏の代称であったが,近代日本ではジェントルマンgentlemanの訳語として,1879年ころから使われはじめ,やがて定着した。明治初年にはこの言葉はヨーロッパでも特定の身分層をさす概念から,粗野な振舞いのない穏やかで洗練されたマナーの,比較的上層の士を意味する概念になっていたが,日本でも,たとえ官尊民卑の風潮があるとはいえ,四民平等の時代に対応して,上流の官員と商人の双方を一括して呼ぶ適当な言葉として登場,とくに商人については〈紳商〉と呼ばれた。…

【ビクトリア時代】より

… だが,中流階級の興隆だけが繁栄期ビクトリア時代の特色であったわけではない。1840~70年代の政治の実権は,なお地主階級が握っており,イギリス社会全体としては,ジェントルマンが究極の人間の理想像であった。ジェントルマンであるかないかということを基準に社会の階層秩序が形成されており,上層の中流階級は田舎に土地と邸宅を買い求め,子弟をパブリック・スクールに送ってジェントルマンの地位を目ざした。…

※「ジェントルマン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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