そと(読み)ソト

デジタル大辞泉 「そと」の意味・読み・例文・類語

そ‐と

[副]
こっそりと。そっと。
「帯の間より時計出して、―見やるを」〈木下尚江火の柱
少し。ちょっと。そっと。
「たべ酔ひ候へども、御所望を仕らねば慮外にて候ふほどに、―いたさう」〈咄・きのふはけふ・上〉
[類語](1そっとこっそりひそか忍びやか内内うちうち内内ないない内輪遠慮内部内密内幕内裏うちうら内緒内証内分内聞内情内実秘密やおらおもむろにそろりそろそろ

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精選版 日本国語大辞典 「そと」の意味・読み・例文・類語

そ‐と

  1. 〘 副詞 〙
  2. そっと
    1. [初出の実例]「一朝とは、そとの間と云ん為也」(出典:応永本論語抄(1420)顔淵第一二)
  3. そっと
    1. [初出の実例]「とりあつめてそとよめるうた」(出典:公任集(1044頃))
  4. すばやく事を行なうさまを表わす語。さっと。
    1. [初出の実例]「弦音ききて、そとそばへをどるに、五寸はのくなり」(出典:古今著聞集(1254)九)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「そと」の意味・わかりやすい解説

ソト(民族)
そと
Sotho

レソト王国南アフリカ共和国、ボツワナ共和国に居住するバントゥー系農耕民。本来は牧畜民で、北方から3波にわたる移住によって入ってきたと考えられている。定住後も牛の占める位置は大きく、財産や犠牲獣として重要視される。ソトは北ソト、南ソト、西ソトの三つの集団に分かれるが、このうちボツワナと南アのトランスバール州に住む西ソトはツワナの名で知られる。ツワナを除くソトの人口は240万(1970)。ツワナを除くソトは19世紀初頭まで小首長国に分かれてドラケンスベルク山脈ドラケンスバーグ山脈)の高地草原の全域に広がっていたが、1820年代に始まったズールーの王シャカの進軍渦中で中央集権的王国をつくりあげた。この王国はのちにイギリス保護領バストランドとなり、1966年レソト王国として独立した。しかし経済的には南アに完全に従属している。社会組織については、父系出自に基づく動物名をもったクランがあるが、婚姻規制とは関係していない。このクランの動物名はセボーゴとよばれ、あるセボーゴを名のる者はけっしてその動物を殺さず、その肉を食べたり毛皮を用いたりしてはいけない。どのいとことの結婚も可能であり、父系社会では例外的である父の兄弟の子供との結婚でさえ許される。男女とも割礼(かつれい)を受け、男は山奥に、女は村の近くに隔離される。かつては割礼後、男は年齢組に組織され王国の軍隊をつくる基礎となった。

[加藤 泰]


ソト(スペインの探検家)
そと
Hernando de Soto
(1500?―1541)

スペインの探検家ミシシッピ川の「発見」者。下級貴族の次男としてエストレマドゥーラ地方のヘレス・デ・ロス・カバジェロスで生まれる。1514年パナマ総督ペドラリアス・ダビラに仕えて「新大陸」へ渡る。中央アメリカの探検と征服に力を振るい、ニカラグアの有力者となる。1531年、旧知のフランシスコ・ピサロの企てるインカ征服に参加し、騎馬の名手として戦功をたてるが、つねにピサロ兄弟の下位に甘んじるのを不満として、1535年帰国した。しかし、立身出世の夢は捨てがたく、1537年フロリダ征服の権利を獲得して、1538年キューバへ向かい、1539年5月25日フロリダ半島に上陸し、内陸部の探検を開始した。黄金の地を探し求めて現在のジョージア、アラバマの各州を放浪し、飢えやインディアンとの戦いに苦闘しながら、ミシシッピ川に到着したが、同河畔で1541年5月21日死去した。

[青木康征]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「そと」の意味・わかりやすい解説

ソト
Soto, Hernando de

[生]1496頃.ビリャヌエバデバルカロタ
[没]1542.5.21. フェリデイ
スペインの探検家。 1537年スペイン王カルロス1世 (神聖ローマ皇帝カルル5世 ) よりフロリダ征服の許可を得,39年からアメリカ南東部 (ジョージア,カロライナ,テネシー,アラバマ,ミシシッピなど) を探検し,ミシシッピ川を発見 (1541) 。しかし,熱病にかかりその地で死んだ。

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