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トド Eumetopias jubatus; Steller sea lion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

トド
Eumetopias jubatus; Steller sea lion

食肉目鰭脚亜目アシカ科トド属。最大体長は雄約 3.3m,雌約 2.5m。体重は雄約 1t,雌約 273kgに達する。出生直後の幼獣は平均して体長約 1m,体重は 18~22kgである。アシカ科で最も大きい。体色は淡黄褐色で胸部から腹部にかけて濃くなる。雌は一般にやや淡色で,幼獣は黒茶色を呈する。体型は太い紡錘形である。雄は成長すると首にたてがみ状の長い毛が生える。下毛 (綿毛) がない。吻はやや細長く,頭頂は少しくぼみ,耳介は約 5cmに達する。門歯は上顎6本,下顎4本,犬歯は上顎と下顎に各2本,頬歯は上顎と下顎に各 10本である。上顎の後方にある4番目と5番目の頬歯が離れている。繁殖場では 1000頭以上の群れをなすが,海上では 15頭以下の群れで回遊する。キタオットセイに比べ上陸して休息することが多い。繁殖期は晩春から夏にかけてである。成熟した雄は,雌が繁殖場を回遊する前に上陸してなわばりをつくり,そのうちの 10~15頭の雌と交尾する。1産1仔。食性範囲は広く,おもに魚類やスルメイカ類を捕食している。北太平洋の,東はカリフォルニア中部から西はカムチャツカ半島まで,北はベーリング海から南は日本北部までに分布し,海上では沿岸や大陸棚に出現する。絶滅危惧種。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

トド

アシカ科。成長した雄は体長約3・3メートル、体重約1トン、雌は同約2・5メートル、約300キロに達する大型海獣。ロシア海域で繁殖後、11~5月に弁天島や利尻、礼文島、知床半島、積丹半島などの海域に来遊し、タラやカレイ、タコなどを食べる。アザラシはトドとは別のアザラシ科でトドよりやや小型だが、アザラシによる漁業被害も増えている。

(2012-01-10 朝日新聞 朝刊 1道)

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百科事典マイペディアの解説

トド

食肉目アシカ科の哺乳(ほにゅう)類。雄は平均体長2.8m,平均体重566kg。雌は小さく平均体長2.3m,平均体重263kg。夏は淡赤褐色,冬は暗褐色。北太平洋に分布し,冬は北海道まで南下する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トド
とど / 海馬
steller sea lion
[学]Eumetopias jubatus

哺乳(ほにゅう)綱鰭脚(ききゃく)目アシカ科の海産動物。分布域はきわめて広い。アリューシャン列島からアラスカ、カナダ、カリフォルニアにかけて、またカムチャツカ半島、千島列島、オホーツク海北部および樺太(からふと)(サハリン)にも繁殖場や上陸場がある。冬から春にかけては北海道や沿海州の沿岸にも現れる。生息数は全体で10万~15万頭である。アシカ科動物のなかでもっとも大きく、海馬(かいば)ともよばれる。雄は体長3.2メートル、体重約1トン、雌は2.4メートル、280キログラムに成長する。大きさ以外にも雌雄で差があり、雄の成獣は頸(けい)部が著しく肥大し、長さ4センチメートルほどの剛毛で覆われる。アシカより明るい褐色で胸腹部は暗色である。上あごの第4と第5の頬歯(きょうし)(小臼歯(きゅうし)と大臼歯をあわせたもの)の間に歯1本分以上のすきまがあり、アシカやオットセイと区別できる。
 沿岸性の動物で、活動域はおもに岸より15海里(約28キロメートル)以内、180メートルより浅い海域である。食物の幅は広く、魚類や頭足類を中心に甲殻類も食べる。平坦(へいたん)な海岸だけでなく、かなり傾斜のある岩場でも繁殖する。一夫多妻性でハレムの広さは約225平方メートル、雌の数は平均10頭である。雄はこのハレムを20~40日間保有し、ほかの雄から防衛する。雄どうしの闘いは儀式化された示威行動で、かみ合って傷つくことは少ない。5~7月に交尾し、翌年の5、6月に出産する。1産1子で双産はまれである。新生子は体長100センチメートル、体重20キログラム、授乳期間は3~12か月と幅がある。雌は3、4歳、雄は5歳で性的に成熟する。ただし繁殖に参加する雄は9~13歳である。繁殖後、8~10月に島を離れ回遊生活に入る。
 北海道へ回遊してくるものは千島と樺太のトドで、ロシアの推定では約3000頭である。漁業の害獣として羅臼(らうす)、利尻(りしり)、礼文(れぶん)などで駆除されている。肉はミンクやキツネの餌(えさ)にされるが、毛皮には下毛(綿毛)がなくきわめて厚いので利用されていない。[伊藤徹魯]

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