終に(読み)ツイニ

デジタル大辞泉 「終に」の意味・読み・例文・類語

つい‐に〔つひ‐〕【終に/遂に/×竟に】

[副]
長い時間ののちに、最終的にある結果に達するさま。とうとう。しまいに。「―優勝を果たした」「―完成した」「疲れ果てて―倒れた」
(多く、打消しの語を伴って用いる)ある状態が最後まで続くさま。とうとう。「―現れなかった」「作品は―日の目を見なかった」
つい」に同じ。
「其の後は―ない存外の御無沙汰をいたしました」〈円朝怪談牡丹灯籠
[用法]ついに・とうとう――「苦心の末、ついに(とうとう)完成の日を迎えた」「海外旅行の夢がついに(とうとう)実現した」など、結果が現れることを表す意では、相通じて用いられる。◇「とうとう」が長い時間を要してある結果が生じるという意味合いを持つのに対して、「ついに」には長い時間の後、最終的な時点で新しい何かが実現した、またはしなかったという意味合いがある。また、口頭語としては「とうとう」が多く用いられ、「ついに」は文語的である。◇類似の語に「結局」がある。「結局」には、いろいな経過があったが、という意味合いがある。「ずいぶん頑張ったが、結局成功しなかった」
[類語]とうとういよいよ挙げ句あげくの果てとどのつまり結局結句畢竟ひっきょう詰まるところ帰するところせんずるところ要するにどの道いずれ所詮しょせんどうせつまり矢張り何れにしても差し詰め究竟きゅうきょう果ては何と言ってもどっち道もはやとにかく何しろ何せ何分なにぶん何分にもなんにせよともかくともかくもともあれとまれとにもかくにもそれはともあれ遅かれ早かれ善かれ悪しかれすんでにほとんどすんでのことすんでの所どうにかこうにかどうにかやっとようやくなんとかかろうじてからくもやっとこさ間一髪危なくあわやすれすれようやっとどうかこうかかつがつどうやらこうやら曲がりなりにもやっとの事でまだしもまだえんやらやっとようよう危うく九死に一生を得るまあまあまあよっぽどかなりなかなかわりあいわりかたわりかし割に比較的まずまずかすかすどうやらなんとかかんとかそこそこそれなり増し次善セカンドベストベター及第無難ほどほど捨てたものではない満更まんざらでもないいまだしいま不徹底不十分及ばずながら不全不完全どうなりこうなり一応急場しのぎ当座しのぎ一時しのぎその場しのぎ

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精選版 日本国語大辞典 「終に」の意味・読み・例文・類語

つい‐につひ‥【終に・遂に】

  1. 〘 副詞 〙 ( 名詞「つい(終)」に助詞「に」がついてできたもの )
  2. 一つの行為や状態が、ずっと最後まで持続するさまを示す。どこまでも。いつまでも。最後まで。
    1. [初出の実例]「汝が御子(みこ)や 都毘邇(ツヒニ)知らむと 雁(かり)は卵(こ)(む)らし」(出典古事記(712)下・歌謡)
    2. 「いかならん折にか、その御心ばへほころぶべからむと、世の人もおもむけ疑ひけるを、つゐに忍び過ぐし給ひて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  3. 行為や状態が、最終的に実現するさまを示す。最後に。とうとう。結局。いよいよ。
    1. [初出の実例]「息さへ絶えて 後遂(つひに) 命死にける」(出典:万葉集(8C後)九・一七四〇)
    2. 「耳をふたぎて念仏して、つひに往生を遂けり」(出典:徒然草(1331頃)四九)
  4. ( 下に打消を伴って ) 一つの行為や状態を、今まで経験したことがないと、否定的にかえりみる気持を表わす。いまだかつて。まだ一度も。ついし。ついしか。ついぞ。
    1. [初出の実例]「終に都へのぼった事が御ざらぬ」(出典:虎明本狂言・末広がり(室町末‐近世初))

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