日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ハリソン(Ross Granville Harrison)
はりそん
Ross Granville Harrison
(1870―1959)
アメリカの動物学者。ジョンズ・ホプキンズ大学、ボン大学で生物学を修め、ジョンズ・ホプキンズ大学、エール大学の動物学および比較解剖学教授となる。脊椎(せきつい)動物神経細胞の発生の研究を行い、軸索が神経細胞体から伸長することを、自ら開発した組織培養法を用いてカエルの神経組織について確認した(1907)。組織培養法はこれ以後急速に発達して、実験発生学の重要な手法の一つとなっている。実験動物学の主要な雑誌の一つである『実験動物学誌』Journal of Experimental Zoologyを創刊し(1903)、また現在の国際発生生物学会の前身である「成長シンポジウム」Growth Symposiumの発展にも貢献した。国際発生生物学会は1981年から「ハリソン賞」を設けた。
[八杉貞雄]
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