ハル(Clark Leonard Hull)(読み)はる(英語表記)Clark Leonard Hull

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ハル(Clark Leonard Hull)
はる
Clark Leonard Hull
(1884―1952)

アメリカの心理学者。ニュー・ヘブンに生まれる。ミシガン大学で心理学を修める。1929年来、エール大学教授として新行動主義の指導的役割を演じた。初期には催眠研究などにも関心を寄せたが、主として条件づけによる学習研究に業績を残した。生体の環境への適応という見地から要求低減を原理とする反応説を主張、トールマンの認知説と対立し、強化に基づく習慣強度habit strengthを仲介変数とした行動の数量的組織体系を目ざした。一連の定義と公準とから演繹(えんえき)される仮説を実験的に検証する仮説演繹法hypothetic-deductive methodの手法は、近年の行動理論の数理モデルに深い影響を残している。主著に『Principles of behavior』(1943年、邦訳名『行動の基本』)がある。

[小川 隆]

『河合伊六訳『行動の基本』(1980・ナカニシヤ出版)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例