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ポリフォニー ポリフォニー polyphony

翻訳|polyphony

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ポリフォニー
ポリフォニー
polyphony

音楽用語。各声部が独立した旋律とリズムをもちながら,調和を保つ多声様式の音楽で,ギリシア語で「多」を意味するポリス polysと,「音」を意味するフォノス phonosに由来する。各声部がリズム的にそろった和音的な様式のホモフォニーに対する言葉で,13~16世紀は声楽ポリフォニーの全盛時代であった。

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デジタル大辞泉の解説

ポリフォニー(polyphony)

複数の声部からなり、それぞれの声部が、旋律線の横の流れを主張しながら、対等の立場でからみあっていく様式の音楽。複音楽。多声音楽。→ホモフォニーモノフォニー

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百科事典マイペディアの解説

ポリフォニー

代表的な多声音楽またはその作曲様式。複音楽とも訳す。各声部間にホモフォニーにおけるような主従の関係がなく,それぞれ独立している。ヨーロッパの宗教的声楽曲の歴史とともに高度な発展をとげ,ルネサンス時代の〈ブルゴーニュ楽派〉や〈フランドル楽派〉以降J.S.バッハなどに代表されるバロックの時代まで作曲様式の主流をなした。
→関連項目アルス・ノバオケヘムオペラキリスト教音楽グレゴリオ聖歌ゲレーロ五線譜シャンソンシュッツテノールバードブランデンブルク協奏曲マドリガルミサ曲モラーレスモンテベルディ

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世界大百科事典 第2版の解説

ポリフォニー【polyphony】

多声音楽あるいは複音楽と訳され,多声性の一形態を指す。古代ギリシア語のpolys(多くの)とphōnē(音,声)を語源とする。音楽は純粋な単旋律であるモノフォニーと,複数の音が同時的に鳴らされる多声的な音楽とに大別される。後者は多声性(あるいは多音性)という概念で総括されるが,これにはポリフォニーホモフォニーヘテロフォニーなどが含まれる。いずれも音の水平的連続(旋律)と垂直的な響き(和音)から成り立つことで共通しているが,ポリフォニーは,とくに複数の声部が互いに独立的に進行し,横の線的な流れに重点が置かれるような音楽あるいはその作曲様式をいう。

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大辞林 第三版の解説

ポリフォニー【polyphony】

各声部がそれぞれ平等の重要性をもち、各々の水平的な旋律線を重視しながら、相互に和声的関連をもって重ねられる音楽の形態。多旋律の同時的な絡み合いを本領とする。一〇~一七世紀の西洋音楽の主要な形態であった。多声音楽。複音楽。 → モノフォニーホモフォニー
ミハイル=バフチンの文芸批評理論の用語。独語(モノローグ)に対して対話(ディアローグ)を強調するテクスト論の言葉。対話原理。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ポリフォニー
ぽりふぉにー
polyphony英語
Polyphonieドイツ語
polyphonieフランス語

音楽において多声性のテクスチュア(音構成原理)を形成する方式の一つで、広義には多声性全体をさすこともある。狭義には、まったく異なる旋律を複数声部に同時に割り当てる場合のみに、このことばないし複音楽という訳語をあてる。ホモフォニーや和声(ハーモニー)がいわば縦の同時的な重音の効果をねらったテクスチュアであるのとは対照的に、ポリフォニーにおいては水平の線条的な旋律の運動をいくつか同時に絡ませることによって、異なる音楽時間の重層構造を感じさせる効果をあげることができる。
 具体的な手法としては、同一ないし類似の旋律の模倣(カノン)、主旋律に対してそれとはまったく異なる対位旋律を対照させる対位法、対位法の複雑な形式の一つとしての模倣と対照の組合せによるフーガなどが、西洋において理論化され実践されてきた。その歴史は、9世紀ごろからのグレゴリオ聖歌の旋律を基礎にして複数声部の平行運動を強調したオルガヌムなどの多様化に端を発し、13世紀のモテット(モテトゥス)や16世紀の合唱ポリフォニーのように複数声部がもっとはっきりと独立した形を聞かせる技法を経て、バロック様式から十二音音楽に至る近代に、多くの作曲家が他のテクスチュア原理と区別したり融合させたりして応用してきた。
 こうした歴史的経過を考え合わせると、ポリフォニーなる用語ないし概念を非ヨーロッパ音楽に適用することは、ヨーロッパ的民族中心主義に陥ることになりがちであるので注意が必要だが、表面的に現象として類似した音楽語法をポリフォニーとして類別することは一般に行われている。ただし、音楽の作り手や聞き手の意識を考慮に入れると、ヨーロッパのポリフォニーとは多かれ少なかれ異なるくふうが凝らされている場合が多いので、別の用語で区別する方法も講じられている。たとえば、アジア諸民族がそれぞれに固有の形で伝承してきた合奏形式のなかには、ヨーロッパ的感覚からすれば部分的にポリフォニーとして聞こえるものがあっても、意識としては同一旋律の同時的変奏である場合にはヘテロフォニーとよんだり、アフリカの例に聞かれるようなリズムを強調したポリフォニックな合奏であればポリリズムとよんだりする。しかし、どちらにしても特定の文化を超えて通用する概念とはなりえていない。[山口 修]

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世界大百科事典内のポリフォニーの言及

【イギリス音楽】より

…またこのほかに例外的なケースとして18世紀前半におけるヘンデルの活躍がある。
[最初の隆盛期]
 6世紀末にはアウグスティヌス(カンタベリー大司教)によってローマからグレゴリオ聖歌が伝えられたが,やがてイギリス独自の聖歌の伝統が確立され,少なくとも13世紀までにはいわゆるソールズベリー聖歌が成立するが,これは特に15~16世紀のポリフォニーに素材を提供している点でも重要である。また教会でのオルガン使用も早く,10世紀半ばにはウィンチェスター大聖堂に約400本のパイプを持つ大オルガンが設置されている。…

【音楽】より

…英語のミュージックmusic,ドイツ語のムジークMusik,フランス語のミュジックmusique,イタリア語のムージカmusicaなどの語の共通の語源とされるのは,ギリシア語の〈ムシケmousikē〉であるが,それはそもそも〈ムーサMousa〉(英語でミューズMuse)として知られる女神たちのつかさどる技芸を意味し,その中には狭義の音芸術のほか,朗誦されるものとしての詩の芸術,舞踊など,リズムによって統合される各種の時間芸術が包含されていた。このように包括的な〈音楽〉の概念は,ヨーロッパ中世においては崩壊し,それに代わって思弁的な学として〈自由七科septem artes liberales〉の中に位置づけられる〈音楽〉と演奏行為を前提として実際に鳴り響く実践的な〈音楽〉の概念が生まれたが,後者は中世からルネサンスにかけてのポリフォニー音楽の発展につれて,しだいにリズム理論,音程理論などを内部に含む精緻な音の構築物へと進化した。これらの実践的な音楽とその理論がギリシア古代から一貫して受け継いだのは,音楽的な構築の基礎を合理的に整除できる関係(ラティオratio)と数的比例(プロポルティオproportio)に求める考え方である。…

【キリスト教音楽】より

…グレゴリオ聖歌の最後の発展段階に好んで作られたのは,セクエンティアsequentia(続唱)とよばれる歌唱形式であるが,シラビックで韻律的な旋律の作り方や同じ楽句を2度ずつ反復して先へ進む形式に,同じ時代の騎士歌人トルベールの〈レーlai〉の形式や,中世の世俗舞曲〈エスタンピーestampie〉と共通するものが見られるのは興味深い。 単旋律の聖歌であるグレゴリオ聖歌の最後の発展期であった12~13世紀は,同時にポリフォニー(複旋律)音楽の発展の時期でもあった。パリのノートル・ダム大聖堂の礎石は1163年にすえられたが,祭壇と内陣の部分がまず完成した12世紀末,ここにレオナンLéonin(レオニヌスLeoninus)とペロタンPérotin(ペロティヌスPerotinus)という2人の巨匠が姿を現す。…

【中世音楽】より

…多声音楽は,初め,あるグレゴリオ聖歌の旋律の下に,1音符対1音符の関係で新たな旋律を与えて,それらを同時に歌う方式であったが,11世紀も進むと,グレゴリオ聖歌の旋律にのせて,新しい装飾的な旋律を歌うようになった。音高の異なった二つ以上の音を,その音程関係を意識しながら,同時に響かせ続ける西欧型の多声音楽(広義のポリフォニー)は,その後,時代とともに姿を変えながら,やがて西欧のいわゆる芸術音楽の主流になっていったが,初めの数世紀間,それは主として教会音楽の分野で発展させられた。 第1回十字軍が派遣される少し前ごろから,南フランスの封建貴族(騎士)による世俗歌曲の創作が盛んになった。…

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