モーガン(Lloyd Morgan)(読み)もーがん(英語表記)Lloyd Morgan

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

モーガン(Lloyd Morgan)
もーがん
Lloyd Morgan
(1852―1936)

イギリスの動物学者。人間と動物との行動の実験的比較研究を行い、今日の比較心理学発達に寄与した。当時ダーウィン進化論の影響下に動物の種の系統発生的な連続が強調されたが、ロマネスGeorge John Romanes(1848―1894)らが動物の行動と人間の行動との類似に着目し、これを擬人的に解釈しようとしたのに対し、もしも動物の行動が下等な心的能力によって解釈されるならば、より高等な心的能力の所産として解してはならないという主張をした。この見解モーガンの公準Morgan's canonといわれ、その後の比較心理学(動物心理学)、とくにアメリカの行動主義に影響を与えている。著書に『An Introduction to comparative psychology』(1894)、『The animal mind』(1930)などがある。

小川 隆]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

アルツハイマー

[1864~1915]ドイツの精神医学者。クレペリンのもとで研究に従事。1906年、記憶障害に始まって認知機能が急速に低下し、発症から約10年で死亡に至った50代女性患者の症例を報告。クレペリンによっ...

アルツハイマーの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android