人非人(読み)にんぴにん

精選版 日本国語大辞典 「人非人」の意味・読み・例文・類語

にん‐ぴにん【人非人】

〘名〙
① 仏語。天龍八部の一つ、緊那羅(きんなら)別名。また、天龍八部をさすと解されたこともある。
往生要集(984‐985)大文九「一切天龍、乃至一切、迦吒富単那、人非人等」
② 仏語。人と人でないもの。比丘比丘尼など四衆は人、天・龍などは非人。
※十善法語(1775)二「仏の在世に天龍八部、人非人、男子女人の中にこの垂誡ある」
③ 人でありながら人として認められないもの。人の数にはいらないもの。
散木奇歌集(1128頃)雑上「さもこそは無智文盲にうまれけめ人非人にぞなりぬべきかな」
④ 人の道にはずれた人。義理人情をわきまえない人。忘恩の徒。ひとでなし。
大鏡(12C前)四「あはれの人非人やとこそ申さまほしくこそありしか」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「人非人」の意味・読み・例文・類語

にん‐ぴにん【人非人】

人道に外れた行いをする者。ひとでなし。
インドの俗神、緊那羅きんなら通称。その姿が人に似て人ではないのでいう。
[類語](1凶漢凶賊奸賊海賊山賊賊徒賊子逆賊謀反人悪人悪者悪漢悪党悪玉悪女毒婦食わせ物詐欺師山師ペテン師いかさま師あくわる凶徒凶手人でなし奸物曲者暴漢暴れ者暴れん坊暴徒荒くれ者ごろつきならず者地回りやくざ暴力団無頼漢無法者与太者ごろちんぴらあぶれ者

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