出生(しゅっしょう)(読み)しゅっしょう

  • 出生

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

生まれること。人は出生によって権利能力(法律上の人格)を取得する(民法3条1項)。民法上は、胎児が生きて生まれたか死産かによって相続順位が変わることがあるので、なにをもって出生とするかが問題となる。一般には、胎児が生きて母体から全部露出することをもって出生とされる(全部露出説)。刑法上は、堕胎罪と殺人罪の区別について問題となるが、この場合は、胎児の一部でも露出すれば出生であるとされ(一部露出説)、したがってその後に殺せば殺人罪が適用されることになる(刑法199条)。出生があったときは、出生届をしなければならない(戸籍法49条以下)。人の出生や出生の時期の証明は、戸籍簿の記載によってされるのが普通であるが、戸籍簿の記載がないか、または誤っている場合には、医師・助産師などによって証明することも可能である。なお国籍法では、定められた条件を満たしていれば出生による国籍の取得が認められている(国籍法2条)。

[高橋康之・野澤正充]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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