(読み)ユウ

デジタル大辞泉 「勇」の意味・読み・例文・類語

ゆう【勇】[漢字項目]

[音]ユウ(呉) [訓]いさむ
学習漢字]4年
気力が盛んに奮い立つ。いさみ立つ。いさましい。「勇敢勇気勇士勇壮勇猛勇躍義勇豪勇大勇忠勇沈勇蛮勇武勇
思いきりがよい。「勇退勇断
[名のり]いさ・いさお・いさみ・お・さ・そよ・たけ・たけし・とし・はや・よ

ゆう【勇】

いさましいこと。勇気。「匹夫
[類語]勇気大勇小勇蛮勇暴勇

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「勇」の意味・読み・例文・類語

いさみ【勇】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「いさむ(勇)」の連用形の名詞化 )
  2. 勇ましい手柄。雄々しき武功。
    1. [初出の実例]「天皇、是に、将軍八綱田の功(イサミ)を美(ほ)めたまふて」(出典:日本書紀(720)垂仁五年一〇月(北野本訓))
  3. 勇んで物事にあたる気持。積極的に立ち向かう気持。勇気。気力。活気。はげみ。
    1. [初出の実例]「悲しびは余りありといへども、まねびつかうまつるいさみはなし」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
  4. ( 形動 ) 市井にて、侠気を売り物にし、威勢のよい言語や振舞をなすこと。また、そのさまやその人。勇み肌。
    1. [初出の実例]「顔ににきびのできてゐる勇(イサミ)客人で」(出典:洒落本・部屋三味線(1789‐1801頃))
    2. 「ヘイ、私は大津の牛飼、独鈷(とっこ)の駄六と申まするいさみとやらでござりまする」(出典:歌舞伎・名歌徳三舛玉垣(1801)五立)
  5. 酒。〔物類称呼(1775)〕

勇の語誌

( 1 )一八世紀後半頃より、特に江戸下町の侠気ある若者のことを「いさみ」あるいは「いさみ肌」というようになった。「滑・東海道中膝栗毛‐四」に「すこしいさみ肌のまき舌にて」とあるところから、いわゆる江戸訛りで話したものと思われ、刺青を施す者も多かった。
( 2 )江戸時代前期には肯定的にみられていたが、次第に、滑稽本笑い対象とされるなど、低くみられるようになる。類義語に、「いなせ(鯔背)」「きおい(競)」「きおいはだ(競肌)」「きゃん(侠)」などがある。


ゆう【勇】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 物事をおそれず心が強いこと。力量がすぐれて勇ましいこと。また、その心。また、そのさま。勇気。
    1. [初出の実例]「此の五百の皇子の武く勇なるを得て」(出典:今昔物語集(1120頃か)五)
    2. [その他の文献]〔論語‐為政〕
  3. 程度のはなはだしいさま。
    1. [初出の実例]「礒部頼母とて勇(ユウ)に色ふかく春秋の花紅葉紅閨長時(とこしなへ)に」(出典:浮世草子武道伝来記(1687)七)

いさまし【勇】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙いさましい(勇)

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