半田(市)(読み)はんだ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「半田(市)」の意味・わかりやすい解説

半田(市)
はんだ

愛知県知多(ちた)半島東岸にある市。1937年(昭和12)半田亀崎(かめざき)、成岩(ならわ)の3町が合併して市制施行。JR武豊線(たけとよせん)、名古屋鉄道河和(こうわ)線が通り、衣浦(きぬうら)湾対岸の碧南(へきなん)市へは海底トンネルが通じる。国道247号、366号、南知多道路が南北に走り、知多半島横断道路が通じる。半島中央の丘陵上を愛知用水が貫流し、酪農花卉(かき)栽培が行われる。古くから清酒、酢、みそなどの醸造業が盛んで、成岩地区は知多晒(さらし)(知多木綿)が特産。酒造は江戸中期に始まり、海運業の発達とともに発展した。1957年(昭和32)半田、亀崎、武豊、大浜など衣浦湾内8港が統合されて重要港湾衣浦港となり、臨海埋立地には金属、機械、繊維、食料品などの工業地帯が造成された。そのなかにあって伝統工業の醸造、繊維業も着実な発展を続けているのが注目される。文化財も多く国指定の重要文化財常楽寺(じょうらくじ)の木造阿弥陀如来(あみだにょらい)立像天王町の旧中埜(なかの)家住宅があり、重要無形民俗文化財(およびユネスコ無形文化遺産)に亀崎潮干(しおひ)祭の山車(だし)行事がある。面積47.42平方キロメートル、人口11万7884(2020)。

[伊藤郷平]

『『半田市誌』全6巻(1968~1977・半田市)』『『新修半田市誌』全3冊(1989・半田市)』


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