(読み)ゲン

デジタル大辞泉 「弦」の意味・読み・例文・類語

げん【弦】[漢字項目]

常用漢字] [音]ゲン(呉) [訓]つる
ゲン
弓のつる。「鳴弦
(「」と通用弦楽器の糸。糸を張った楽器。「弦歌弦楽管弦三弦調弦
半月。また、半月の両端を結んだ直線。「下弦初弦上弦
直角三角形斜辺。「正弦余弦
〈つる(づる)〉「弦音弓弦
[名のり]いと・お・ふさ

げん【弦】

弓づる。
(「絃」とも書く)楽器に張り、はじいたりこすったりして音を出す糸。また、それを張った楽器。琴・三味線バイオリンなどの弦楽器。
弓を張った形の月。半円形の月。弓張り月弦月
ますの上縁につけた四角形の鉄のさん
数学で、円周または曲線上の二点を結ぶ線分。また、直角三角形の斜辺。

つる【弦/×絃/×鉉】

弓に張りわたす糸。ゆみづる。ゆづる。
琴などの弦楽器に張る糸。
なべや土瓶などに弓形にかけわたした取っ手。「飯盒の―」
(「梁」とも書く)ますの上面に対角線に張り渡した鉄線。

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精選版 日本国語大辞典 「弦」の意味・読み・例文・類語

げん【弦】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 弓づる。つる。また、つる鳴り。〔文明本節用集(室町中)〕〔儀礼‐郷射礼〕
  3. 琴、瑟、三味線、ギター、バイオリンなどの楽器に張って、弾(ひ)いたりこすったりすることによって音を出す糸、または針金。つる。いと。
    1. [初出の実例]「弓が弦に触るるや否、微かに蕭(しめや)かなさうさうたる声は」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉破調)
    2. [その他の文献]〔礼記‐楽記〕
  4. げん(絃)
  5. 一升桝(ます)の上部の縁に付けた四角形の鉄のさん。
  6. 弓を張った形の月。半円形の月。陰暦でひと月の七、八日頃の月を上弦、二二、三日頃の月を下弦という。弓張月。弦月。
    1. [初出の実例]「月の字指合たる時 弦 三五夜」(出典:俳諧・季引席用集(1818))
    2. [その他の文献]〔漢書‐律歴志上〕
  7. 数学で、円周または曲線上の二点を結ぶ線分。〔五国対照兵語字書(1881)〕
  8. 和算で、直角三角形の斜辺。→勾股弦(こうこげん)。〔工学字彙(1886)〕

つら【弦】

  1. 〘 名詞 〙 弓のつる。ゆみづる。
    1. [初出の実例]「陸奥の安太多良真弓弾(はじ)きおきて反(せ)らしめきなば都良(ツラ)(は)かめかも」(出典:万葉集(8C後)一四・三四三七)

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普及版 字通 「弦」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 8画

(異体字)絃
人名用漢字 11画

[字音] ゲン・ケン
[字訓] つる・ゆづる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は玄(げん)。〔説文〕十二下に「弓弦なり」とし、玄を弦をけるところの象形とするが、形声の字である。

[訓義]
1. つる、ゆづる。
2. つるをはる、つるをならす。
3. つよい、きびしい、はやい、はげしい。
4. つるがた、三日月
5. 楽器のいと、絃楽器。絃と通じる。

[古辞書の訓]
和名抄〕弦 由美(ゆみつる) 〔名義抄〕弦 ユミツル・ハル・ツル・ツルハク・ユミハリ

[声系]
〔説文〕に弦声としてなど二字を収める。十下は「なり」と訓する字で、弦の緊張する状態を、心意の上に移した字である。

[語系]
弦hyen、・眩hyuenは声近く、弦は音を以て、・眩は光を以ていう。楊樹達の〔積微居小学述林〕に、玄声の字に急疾の義が多いことを指摘しており、また眩惑の意がある。*語彙は絃字条参照。

[熟語]
・弦影・弦音・弦歌・弦・弦外・弦楽・弦管・弦・弦輝・弦機・弦驚・弦月・弦喧・弦朔・弦索・弦矢・弦者・弦誦・弦甚・弦吹・弦声・弦絶・弦奏・弦多・弦断・弦直・弦・弦桐・弦浮・弦望・弦木・弦脈
[下接語]
弦・下弦・扞弦・管弦・弓弦・虚弦・空弦・控弦・鉤弦・三弦・初弦・上弦・絶弦・続弦・断弦・佩弦・繁弦・鳴弦・夜弦・余弦

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百科事典マイペディア 「弦」の意味・わかりやすい解説

弦(楽器)【げん】

弦楽器弦鳴楽器)に使用される発音体。邦楽などでは絃とも書く。ガット(羊腸),合成繊維,鋼鉄(スチール)などの線,あるいはそれに細い銅線などを巻きつけたものが使用される。バイオリン属(バイオリンやチェロ)の場合,第2次大戦後は音量にすぐれたスチール弦が主流となったが,古楽復興の流れの中で,より豊かなニュアンスを生み出すガット(羊腸)弦にも再び光が当たりつつある。→オリジナル楽器
→関連項目電気楽器ビルスマ

弦(数学)【げん】

円周上の2点を結ぶ線分。一般には曲線上の2点を結ぶ線分をいう。→接線

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改訂新版 世界大百科事典 「弦」の意味・わかりやすい解説

弦 (げん)

(数学)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「弦」の意味・わかりやすい解説


げん
string

弦楽器に使われる発音体としての動・植物製,金属製の糸。古くは絃とも書き,単に糸ともいう。また,弦楽器の略称としていう。

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デジタル大辞泉プラス 「弦」の解説

クレバー物産株式会社が展開する和食店のチェーン。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【円】より

…円周は長さが等しいすべての平面閉曲線のうち最大の面積を囲む(等周問題)。
[弦と弧]
 円周上の2点A,Bを結ぶ線分ABを弦という。円の中心は弦の垂直2等分線上にある。…

【楽器】より

…旧石器時代になると,ブル・ロアラー(うなり木),法螺(ほら)貝および笛が現れ,新石器時代にはスリット・ドラム,一面太鼓,楽弓,パンの笛(パンパイプ),横笛,木琴,ジューズ・ハープ(口琴),葦笛など,豊富な種類の楽器が作られるようになった。さらに金属を用いるようになると,鐘やチター系弦楽器が現れる。さらにハープ系弦楽器は前3000年代に,両面太鼓は前2000年代に,シンバルやリュート系弦楽器,金属製のらっぱなどは前1000年以後に現れたといわれる。…

【弦楽器】より

…弦を発音体として,これを振動させることによって音を出す楽器の総称。弦から音を得るためには,その両端を固定して十分な緊張状態にし,なんらかの方法でこれを振動させる必要がある。…

※「弦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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