咎める(読み)トガメル

デジタル大辞泉 「咎める」の意味・読み・例文・類語

とが・める【×咎める】

[動マ下一][文]とが・む[マ下二]
悪いことをしたと心を痛める。「気が―・める」「良心が―・める」
傷やはれものをいじって悪くする。また、悪くなる。「んで傷が―・める」
過ちや罪・欠点などを取り上げて責める。非難する。「過失を―・める」
怪しんで問いただす。「挙動不審警官に―・められる」
[類語]責める詰る追及詰問難詰注意吊し上げる締め上げる責め付ける責め立てる難じるいさめる意見諫言諭す諫死注意説教𠮟責諌止苦言忠言忠告勧告警告心添えいまし戒めるたしなめる言い聞かせる言い含める因果を含めるくぎを刺す

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「咎める」の意味・読み・例文・類語

とが・める【咎・尤】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 マ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]とが・む 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙
    1. 悪事や欠点などをそれと指示して非難する。取り立てて責める。問いただす。なじる。
      1. [初出の実例]「速須佐之男命〈略〉大嘗を聞看(きこしめ)す殿に屎麻理(くそまり)散らしき。故、然為れども天照大御神は登賀米(トガメ)ずて告りたまひしく」(出典古事記(712)上)
      2. 「今此表を読みて、其無礼を咎むるまでに上達せられしは」(出典:尋常小学読本(1887)〈文部省〉六)
    2. 不審に思って心をとめる。また、珍しいもの、興をそそるものに対して注意を向ける。
      1. [初出の実例]「河内国司、其犬を尤(トカメ)(あやしび)、朝庭に(まうしあぐ)」(出典:日本書紀(720)崇峻即位前(図書寮本訓))
      2. 「似つかはしからぬ袖の香を、人ごとにとがめられめでらるるなむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)橋姫)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 マ行下一段活用 〙
    1. はれものなどが刺激を受けて、熱が出たり痛んだりする。
      1. [初出の実例]「キズガ togameru(トガメル)」(出典:和英語林集成初版)(1867))
    2. 悪いことをしたと思って心に痛みを感じる。
      1. [初出の実例]「それでは余りに心が咎めるから」(出典:野の花(1901)〈田山花袋〉七)

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