(読み)セン

デジタル大辞泉の解説

せん【専】

第一であること。何よりも大切なこと。
「体を丈夫にするのが―だよ」〈紅葉金色夜叉
自分の思うままにすること。
「藤原氏、権を―にし」〈福沢文明論之概略

せん【専〔專〕】[漢字項目]

[音]セン(呉)(漢) [訓]もっぱら もはら
学習漢字]6年
他の事はおいてそれだけに集中する。それひとすじ。「専一専攻専属専任専念専門
ひとり占めにする。自分かってに物事をする。「専横専制専断専売専有専用独断専行
「専門学校」の略。「高専
[名のり]あつし・あつむ・たか・もろ

とうめ〔たうめ〕【専】

[副]《「たくめ(専)」の音変化》もっぱら。専一に。
「汝(いまし)―東の国ををさめよ」〈景行紀〉

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大辞林 第三版の解説

せん【専】

一つのことに集中すること。 「体を丈夫にするのが-だよ/金色夜叉 紅葉
ほしいままにすること。 「其の心愈いよいよ-なれば、其の権力愈偏せざるを得ず/文明論之概略 諭吉

とうめ【専】

( 副 )
〔「たくめ(専)」の転〕
もっぱら。 「かれ汝-東の国を領おさめよ/日本書紀 景行訓

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

せん【専】

〘名〙 何をおいても第一とすること。専一のこと。もっぱら。
一言芳談(1297‐1350頃)下「心の専(セン)不専を不論して南無あみだ仏ととなふる声こそ詮要と」
俳諧去来抄(1702‐04)修行「俳諧は新敷趣を専とすといへども、物本性をたがふ」 〔易経‐繋辞上〕

たくめ【専】

〘副〙 (語源未詳) もっぱら。専一に。とうめ。
※書紀(720)敏達一四年三月(前田本訓)「豈専(タクメ)に蘇我の臣の仏の法を興し行ふに由れるに非ずや」
[補注]音便形と思われる「たうめ(とうめ)」という語形もみられ、老女を意味する「たうめ(とうめ)」との関連があるともいう。→とうめ(専)とうめ(専女)

とうめ たうめ【専】

〘副〙 (「たくめ(専)」の変化した語) もっぱら。専一に。
※書紀(720)景行五六年八月(北野本南北朝期訓)「故(かれ)に汝(いまし)東国(あつまのくに)を専(タウメ)(おさ)めよ」

もっぱら【専】

(「もはら」の変化した語。「純」「一」とも書いた)
[1] 〘形動〙 他のことをさしおいて、それに集中するさま。また、そのことを主たること、肝要なこととするさま。
※五音曲条々(1429‐41頃)「松風村雨の後段、はん女、みそきかは、是等はみなれんぼのもっぱら也」
[2] 〘副〙 他の事態や行為をさしおいて、ひたすら、その事態であるさま、ひたすらその行為を行なうさまを表わす語。ただひたすら。一途に。むはら。
撰集抄(1250頃)七「もっぱらたすけける人ぞとまらぬをや、と思ひしかば」

もはら【専】

[1] 〘形動〙 =もっぱら(専)(一)
※蜻蛉(974頃)下「このごろ庭もはらに花ふりしきて」
[2] 〘副〙
※天理本金剛般若経集験記平安初期点(850頃)「普光寺の僧、栖玄、徳行を淳(モハラ)修め」
② (否定表現を伴って) 行為や事態が絶対に成立しがたいことを表わす語。全く。決して。全然。
※竹取(9C末‐10C初)「もはら、さやうの宮仕へ仕うまつらじと思ふを」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内のの言及

【塼】より

…焼成した煉瓦のことを,中国では塼(専,磚,甎とも書く)といい,また甓(へき)などともよぶ。古代から現代まで土木建築の基本材料として多方面に使われている。…

※「専」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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