専一(読み)センイツ

デジタル大辞泉 「専一」の意味・読み・例文・類語

せん‐いつ【専一】

他を顧みないで、ある物事だけに力を注ぐこと。せんいち。「専一学問に励む」「御自愛専一に」
第一。また、随一
個人義務相手に愉快を与えるが―と思う」〈漱石虞美人草
[類語]ひたすらいちずひたむき一筋ただただただひとえに一心一念一路一散一目散一直線一本槍一点張り一辺倒一意専心営営せっせ遮二無二無二無三がむしゃら一心不乱脇目も振らずまっしぐらしゃかりきしゃにむに無心粉骨砕身無我夢中熱中夢中直線的専心専念没入没頭没我傾注傾倒猪突猛進ストレート我を忘れるこんを詰める身を入れる身を砕く心血を注ぐ

せん‐いち【専一】

せんいつ(専一)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「専一」の意味・読み・例文・類語

せん‐いつ【専一】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) 一つの事柄にだけ一心になって、他を顧みないこと。また、そのさま。せんいち。
    1. [初出の実例]「凡内院神殿者、令主神司専一勤守、若致破損、奪其俸料」(出典延喜式(927)五)
    2. 「御老母様御介抱専一に候」(出典:松倉文左衛門(嵐竹)宛芭蕉書簡‐元祿六年(1693)八月二八日)
    3. [その他の文献]〔史記‐太史公自序〕
  3. 第一であること。随一であること。せんいち。
    1. [初出の実例]「件顕氏者、禅門専一之仁歟之由、日来有其聞」(出典:園太暦‐観応二年(1351)八月二日)
    2. 「個人の義務は相手に愉快を与へるが専一(センイツ)と思ふ」(出典:虞美人草(1907)〈夏目漱石一四)

せん‐いち【専一】

  1. 〘 名詞 〙せんいつ(専一)〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「ただ謹慎を専一(センイチ)とし、駒込の宿に引籠りて」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙一一)

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普及版 字通 「専一」の読み・字形・画数・意味

【専一】せんいつ

集中する。〔史記太史公自序家は人をして專一ならしむ。~其の爲(た)るや、~指、にして操り易く、事少なくして功多し。

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