出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
京都市右京区嵯峨にある浄土宗の寺。華西山東漸院と号し,〈化野念仏寺(あだしのねんぶつでら)〉の名で有名。弘法大師の創建,のち法然がここで念仏をひろめ,いまの寺名に改めたという。寺の付近は晩秋初冬のころ奥嵯峨の風情が満喫できる。寺のある化野は鳥辺野,蓮台野とともに,平安京の葬送地で,当寺は葬送や死者の追善供養の寺として,その歴史をたどってきた。近代になって,陰徳を積むことを宗旨とする福田海(ふくでんかい)の人々を中心に,里人らが付近から無縁の石塔を集めた。いま寺域内にある8000余の石塔がこれで,毎年8月の地蔵盆には各石塔の前に灯明をともす千灯供養が行われ,京の夏の終りをいろどる行事となって,参詣者が多い。
執筆者:藤井 学
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
京都市右京区嵯峨鳥居本化野(さがとりいもとあだしの)町にある浄土宗の寺。華西山東漸院(かさいざんとうぜんいん)と号し、化野の念仏寺という。本尊は阿弥陀如来(あみだにょらい)。空海の開創で、五智山如来寺(ごちさんにょらいじ)といった。のち法然上人(ほうねんしょうにん)(源空)により中興された。法然が延暦(えんりゃく)寺の弾圧から逃れ愛宕(あたご)山の月輪(がつりん)寺に籠(こも)ったころ、当地に念仏の道場を開き、ここに多くの念仏衆が集まったので念仏寺と改められた。当地は昔、あだし野とよばれ、洛山(らくざん)の蓮台野(れんだいの)とともに墓地であり、『徒然草(つれづれぐさ)』にもみられる。本尊の阿弥陀如来像は湛慶(たんけい)作。角倉素庵(すみのくらそあん)の墓がある。8月24日の地蔵盆には千灯供養が行われ、多くの人が参詣(さんけい)する。
[清水 乞]
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