新山神社(読み)にいやまじんじや

日本歴史地名大系 「新山神社」の解説

新山神社
にいやまじんじや

[現在地名]紫波町土館 和山

土館つちだての南西部、新山(五五二・三メートル)の山頂に位置。祭神は倉稲魂命で旧村社。もとは新山権現といわれ、伝承によれば文治―建久(一一八五―九九)の頃源頼朝の家臣小山朝祐の創建とされる(紫波郡誌)。盛岡藩主南部家の崇敬が厚く、元和二年(一六一六)南部利直知行宛行状(志和新山神社文書)によれば、土館村のうち手作地五石余など計二〇石が別当新山しんざん寺に与えられている。なお慶長二年(一五九七)新山寺の快宥は、遍明院杲遍の所持していた本尊を譲り受けた(「僧覚雄寄進状」大迫妙泉寺文書)


新山神社
にいやまじんじや

[現在地名]水沢市姉体町

天神林てんじんばやしにある。天津彦瓊瓊杵尊・建御名方命を祀るが、建御名方命はかつて内構うちがまえにあった諏訪社の祭神を合祀したもの。旧村社。「奥州葛西動乱記」に収める下姉体邑三社縁起や「下姉体村安永風土記」などによると真山しんざん宮ともいい、鎮守は新山権現。坂上田村麻呂が延暦二〇年(八〇一)勧請、大同二年(八〇七)に社殿を建立した。嘉祥三年(八五〇)慈覚大師が現在地より南方の新山しんざん林に七間の宮を建立、正観音を安置し天台宗新山寺と称した。


新山神社
にいやまじんじや

[現在地名]三陸町越喜来

越喜来おきらいの中部、肥ノ田ひのたの小高い丘にある。祭神は宇迦之御魂神。旧村社。近世熊野社または熊野権現宮とよばれた。創建年代は不詳。一説に建長四年(一二五二)綾里りようり大久保おおくぼに創建された樒山円覚えんがく寺がのち当村肥ノ田のすきみ山に移転、当社はこのとき境内に建立された熊野の仮宮に由来するといわれる。寺・仮宮とも廃絶し、元禄九年(一六九六)当社が再興されたという。同一一年の「気仙郡古記」には葛西住人横沢平兵衛重持がこの地に天文一一年(一五四二)熊野堂を建立したのが始まりで、別当は羽黒派修験宝鏡院と記す。同宮はその後廃絶したらしく、宝暦一一年(一七六一)の「気仙風土草」には新山権現社とみえ、弘化三年(一八四六)の「循海日牋」には明和五年(一七六八)新山神社を勧請とある。


新山神社
にいやまじんじや

[現在地名]平田町楢橋

楢橋ならはしの新山にある。相沢あいさわ川の中流右岸山麓にあり、北側は出羽山地鷹尾たかお山に通じる。祭神は日本武尊ほか二神。旧郷社。「飽海郡誌」に載る縁起によれば建長四年(一二五二)道範が開いた。もとは真言宗で新山大権現と称し、本尊は金剛大日如来で学頭座主および修験九坊があった。両部習合が広まっていた頃、毘沙門堂とも称した。


新山神社
しんざんじんじや

[現在地名]大内町岩谷町 川端

岩谷町いわやまちの西にあり、背後をいも川が流れる。昔岩谷開拓の草分け山口家の遠祖が、妙覚院保食神を岩谷麓いわやふもと村の新山にいやまの地に勧請し、岩谷町村・岩谷麓村の産土神としたのが始まりで、承応三年(一六五四)岩谷町村の高木たかぎの地に移し、さらに寛政三年(一七九一)現在地に移したという。


新山神社
しんざんじんじや

[現在地名]十和田市赤沼 下平

赤沼あかぬま集落の北にある。祭神は弥都波能売命。宝暦(一七五一―六四)の頃の御領分社堂に新山権現とあり、別当は修験大福院である。赤沼村を支配した南部氏の家臣赤沼備中が祀ったと伝え、現在の五輪塔は備中の墓という。


新山神社
しんざんじんじや

[現在地名]七戸町 鍛冶林

鍛冶林かじばやし集落の東に位置する。祭神は大山祇命。宝暦(一七五一―六四)の頃の御領分社堂に「一七戸御代官所作田村新山権現(中略)正智坊」とある。由緒は不明であるが、延宝二年(一六七四)四代藩主南部重信の代に再興され、宝永七年(一七一〇)造営、延享三年(一七四六)修復が行われている。


新山神社
しんざんじんじや

[現在地名]本荘市石脇 東山

石脇いしわきを南に見下ろす高台上にあり、祭神は倉稲魂神・大名持神・少彦名神・大物主神ほか四柱。旧郷社。

「羽陰温故誌」によれば、弘治―永禄(一五五五―七〇)の頃、由利郡に由利十二頭が割拠していた際焼失したが、慶長年間(一五九六―一六一五)楯岡豊前守満茂が再興、由利郡総鎮守として社禄二〇〇石を寄付したという。


新山神社
しんざんじんじや

[現在地名]倉石村又重 前平

又重またしげの中心集落の北、五戸ごのへ川左岸の丘陵地に位置する。祭神は大国主命で、旧村社。文化九年(一八一二)の神社書上覚(多門院文書)に「新山権現」とあり、別当は修験三明院とされる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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