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正本 しょうほん

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

正本(浄瑠璃、歌舞伎)
しょうほん

(1)浄瑠璃(じょうるり)の詞章の版本をいう。浄瑠璃太夫(たゆう)使用の原本を正確に写した本の意。初期のものは挿絵入りで17、18行の細字本であったので、絵入細字本、絵入浄瑠璃本ともいわれたが、1710年(宝永7)ころから太字の節付(ふしづけ)本が現れた。その種類には十行本、八行本、七行本、六行本などがあるが、太字の正本を俗に丸本(まるほん)ともいう。一曲全段を収めたものの意で、後世の一段だけの抜粋本(五行本)は普通、正本とはいわず稽古(けいこ)本と称している。義太夫節(ぎだゆうぶし)以外の浄瑠璃(一中(いっちゅう)節、河東(かとう)節、常磐津(ときわず)節、清元(きよもと)節など)で枚数の少ないものは薄物正本(薄物とも)といい、また長唄(ながうた)の詞章を版行したものは長唄正本という。
(2)前記の慣用から広がって歌舞伎(かぶき)の脚本も正本という。ほかに台本(だいほん)、台帳(だいちょう)ともいったが、現在は脚本ということが多い。昔は作者が草稿を書き上げたのち、主要な人々へ内読(ないよみ)して聞かせ、その意見に従って添削、完成稿本となってから清書したが、これを正本といったのである。[山本二郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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