渡良瀬遊水地(読み)ワタラセユウスイチ

デジタル大辞泉 「渡良瀬遊水地」の意味・読み・例文・類語

わたらせ‐ゆうすいち〔‐イウスイチ〕【渡良瀬遊水地】

茨城栃木群馬埼玉の4県にまたがる遊水地アシオギなどを主体とする本州最大級の湿地が広がる。三つ調節池からなり、面積は約29平方キロメートル。平成24年(2012)ラムサール条約に登録された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「渡良瀬遊水地」の意味・わかりやすい解説

渡良瀬遊水地
わたらせゆうすいち

栃木県南端,渡良瀬川下流にある遊水池。別称赤麻遊水地。関東構造盆地(関東平野)の中心付近の低湿地の一部で,利根川と渡良瀬川の合流点に近く,栃木市を中心に,茨城県,群馬県,埼玉県の 4県にまたがる。1918年利根川,渡良瀬川などの河水調節および洪水防止,足尾銅山の鉱毒問題(→足尾鉱毒事件)の解決手段として,赤麻沼や石川沼などの沼地谷中村の村域を含む面積約 33km2の遊水池がつくられた。谷中村の約 380戸の村民那須郡や北海道などに移住した。1963年から 1997年にかけて渡良瀬川,巴波川思川に沿った囲繞堤,越流堤の設置が行なわれ,三つの調節池に分割された。洪水調節のほか,農業・工業用水などに利用される。本州最大級のアシを主体とした湿地が広がり,沿岸はよしずの産地として知られる。西岸の栃木市藤岡町篠山貝塚などがある。2012年ラムサール条約に登録。

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百科事典マイペディア 「渡良瀬遊水地」の意味・わかりやすい解説

渡良瀬遊水地【わたらせゆうすいち】

茨城,栃木,群馬,埼玉の各県にまたがる人工の洪水調節池。明治時代,足尾銅山の鉱毒被害拡散を防ぐための治水事業により計画され,渡良瀬,思,巴波の各河川の流路を変更して谷中村を移転させ,設置。現在は貯水池としても機能し,利根川水系の水源の一つとなっている。遊水地や周辺の河川敷は国内有数の規模を誇るヨシ原で,猛禽類チュウヒをはじめ環境省のレッドリストに掲載の動植物も多く確認されており,多様な生態系を裏付けている。2012年7月,ラムサール条約登録湿地となる。→足尾鉱毒事件
→関連項目ラムサール条約

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事典 日本の地域遺産 「渡良瀬遊水地」の解説

渡良瀬遊水地

(茨城県古河市;栃木県栃木市;栃木県小山市;栃木県下都賀郡野木町;群馬県邑楽郡板倉町;埼玉県加須市)
ラムサール条約湿地指定の地域遺産。
低層湿原及び人工湿地、トネハナヤスリ、タチスミレ等の生育地、オオヨシキリ、チュウヒ等の渡来地。国指定鳥獣保護区、河川区域

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事典・日本の観光資源 「渡良瀬遊水地」の解説

渡良瀬遊水地

(栃木県小山市・下都賀郡野木町・藤岡町・群馬県邑楽郡板倉町・埼玉県北埼玉郡北川辺町)
日本の重要湿地500」指定の観光名所。

渡良瀬遊水地

(栃木県日光市・小山市・下都賀郡野木町)
とちぎの道と川100選」指定の観光名所。

渡良瀬遊水地

(栃木県小山市・下都賀郡野木町・藤岡町)
とちぎの景勝100選」指定の観光名所。

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