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長野・岐阜県境にそびえる活火山。標高2455m。飛驒山脈をつくる古生層や花コウ岩の基盤上に噴出した火山で,黒雲母複輝石角セン石安山岩の溶岩からなる。基盤が標高2000m近くまで露出するので,実際の火山体の高さは500m以下にすぎない。鐘状の成層火山で,1585年(天正13)の大爆発以来,数十回の爆発の記録がある。1915年6月の活動では泥流が東麓に流下して梓川をせき止め,大正池をつくった。北側にも中尾泥流など多くの泥流があり,山体周辺にはなだらかな泥流堆積面が残されている。近年では62年6月に爆発があり,新火口は西斜面にあって旧火口から500mほど離れている。焼岳の火山体は溶岩と未固結の火山砂礫が積み重なってできているため,豪雨時に活発な崩壊が生じ,山体は深いガリー(雨裂)で刻まれている。崩壊土砂は土石流となって大正池に押し出し,池を年々埋め立てているため,近年は池の底の浚渫(しゆんせつ)や堆砂を運び出して池の景観保存に努めている。
執筆者:小野 有五
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長野・岐阜県境にある活火山。飛騨山脈(ひださんみゃく)(北アルプス)の一峰で、上高地(かみこうち)の西にそびえる。南峰と北峰があり、標高2455メートルの三角点は南峰。北峰は2444メートル。古生層や花崗(かこう)岩を基盤とする、溶岩円頂丘状の安山岩質成層火山。山頂に直径約300メートルの火口があるが、山腹でも割れ目噴火する。1585年(天正13。火山泥流で家屋埋没300余)から、1962~1963年(昭和37~38)の割れ目噴火(噴石で負傷者4人)まで、約10回の噴火記録があるが、ほとんどが水蒸気爆発で、しばしば火山泥流を生じた。1915年(大正4)6月6日の爆発では、大泥流が梓川(あずさがわ)の清流をせき止め、大正池ができた。硫気活動が盛んで、硫黄岳(いおうだけ)とか「アルプスの香炉」と称され、山肌に樹木が育たず、上高地の河童(かっぱ)橋などからカラマツ林を通しての眺望はすばらしい。豪雨時に火山砂礫(されき)層が崩壊し、土石流が大正池を急速に埋め立て、近年は池底の浚渫(しゅんせつ)に追われている。中部山岳国立公園に属し、上高地から中尾峠経由で頂上へは往復5時間の行程。なお、崩落と火山性有毒ガスの発生に伴う規制により、北峰のみ登頂可能。
[諏訪 彰]
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各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...
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