疎外・疏外(読み)そがい

大辞林 第三版の解説

そがい【疎外・疏外】

( 名 ) スル
よそよそしくしてのけものにすること。きらってのけものにすること。 「仲間から-される」 「 -感を感じる」
ドイツ Entfremdung〕 ヘーゲルの用語。ある存在が自己の本質を自己本来の存在の外に出すことによって、それが自分とは対立する疎遠な他者となること。理念が真実在たる精神に自己還帰すべく、反対物である自然へと受肉・転変すること。また、初期のマルクスでは、資本主義的生産の下で人間的存在や労働の本質が、人間に失われていること。自己疎外。 〔同音語の「阻害」はじゃまをして物事の進行をさまたげることであるが、それに対して「疎外」はのけものにすることであり、また、ヘーゲルの用語としても用いられる〕

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精選版 日本国語大辞典の解説

そ‐がい ‥グヮイ【疎外・疏外】

〘名〙
① (━する) よそよそしくすること。きらってのけものにすること。疎遠。疎斥。「疎外感」
※続日本紀‐宝亀八年(777)八月一九日「俄遷出雲守。自疎外、意常欝々」
経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後「中にも斉武の如きは最も二国の為に疎外せらるるの有様にて」 〔史記‐楚世家〕
② 哲学で、人間が、事物や他の人間とかかわるうちに、自己から引き裂かれて本来あるべき自己の本質を奪われてしまい、自己にとって疎遠であるという状態。自己疎外ヘーゲル哲学では、人間が自分の内にあるものを外に出し、外に出した自己を他者として、よそよそしいものとみなすこと。

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