禿(漢字)

普及版 字通「禿(漢字)」の解説

禿
7画

[字音] トク
[字訓] はげ・はげる

[説文解字]

[字形] 象形
禾の実がおちたあとの形。花のある形は秀、実のある形は穆(ぼく)。穆の卜文・金文の字形から実を外すと、禿の形となる。字の本義は、禾の実のおちたもの、核のあるものならば殼(殻)(かく)となる。殼は穀実を殴(う)ちおとす形。字の本義は禾の実なきものであるが、人に及ぼして禿髪の意とする。〔説文〕八下に、字を禾と人との会意とし、「髮無きなり。人に從ひ、上は禾粟(くわぞく)の形に象り、其の聲を取る」とするが、人に従うものは年の初形である。〔説文〕の解は形声義ともに合わず、また〔王育説〕として、文字の創作者と伝えられる倉頡(そうけつ)が「出でて禿人の禾中に伏するを見、因りて以て字を制(つく)る」とする説を引くが、俗説にすぎない。禾の虚(きよたい)(実のぬけがら)を禿といい、人に及ぼして禿髪の意とし、また他に及ぼして禿筆・禿山・禿樹のようにいう。〔説文通訓定声〕に、州語で禿頂を秀頂ということを例として、秀・禿の字義の近いことを注意しているが、禿が秀の虚であることに説き及んでいない。

[訓義]
1. 禾の虚、禾の実のおちたあと、から。
2. はげ、はげる、髪がぬける、毛がぬける。
3. すりきれる、おちつくす、てかてかになる。
4. 無帽。
5. 国語で、かぶろ、かむろ、童髪。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕禿 髮无(な)し。加夫呂奈利(かぶろなり) 〔名義抄〕禿 カブロナリ・カタクナシ・ヲツ〔字鏡〕禿 カフロ・マロナリ・キヒ・カヒロク・カタクナシ

[部首]
〔説文〕〔玉〕に禿を部首として、(たい)をその部に属する。字はまたに作り、秀穂の落することをいう。のち人に及ぼして、顔容の衰えることをという。

[語系]
禿thuk、秀siuは声近く、秀のおちたものを禿という。)duiも禿に従ってその声義をえている字である。

[熟語]
禿穎禿翁禿豁禿巾・禿禿毫・禿山禿厮・禿者・禿樹・禿袖・禿人禿瘡・禿・禿頂禿丁・禿奴・禿髪・禿筆禿鋒・禿友禿露禿顱
[下接語]
頑禿・愚禿・酒禿・頂禿・頭禿・髪禿・半禿・斑禿・筆禿・病禿・鬢禿・毛禿・老禿

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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