(読み)チ

デジタル大辞泉 「置」の意味・読み・例文・類語

ち【置】[漢字項目]

[音](呉)(漢) [訓]おく
学習漢字]4年
一定場所に据える。おく。「置換安置位置拘置装置対置配置放置留置
ある機関を設ける。「存置廃藩置県
物事に決まりをつける。「処置措置
[名のり]おき・き・やす

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精選版 日本国語大辞典 「置」の意味・読み・例文・類語

おき【置】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 動詞「おく(置)」の連用形名詞化 )
    1. おくこと。やめること。よすこと。→置きにする
    2. 長唄浄瑠璃などで、人物の登場や、場面の展開に先立って演奏される序曲部分。長唄では置き唄、浄瑠璃では置き浄瑠璃ともいう。
    3. 囲碁で、相手の石の形をくずしたり、目を奪ったりするために、相手の地域内の石に接触しない点に打つこと。
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 時間、距離、数量などを示す語に付いて、それだけの間隔を一定しておくことを表わす。
    1. [初出の実例]「取りたての肴(さかな)一と月置きに喰」(出典:雑俳・柳多留‐一〇(1775))

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普及版 字通 「置」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

[字音]
[字訓] おく・ゆるす・はなす

[説文解字]

[字形] 形声
声符は直(ちよく)。直に値(ち)の声があり、また植(た)てるものの意がある。〔説文〕七下に「赦(ゆる)すなり。网(まう)直に從ふ」と会意に解する。正直なるものに誤って网(網)を加える形で、それを赦すべしとする意であろう。前条の罷に、「賢能りて网に入り、ち貰(ゆる)して之れを(つか)はすことを言ふ」(段注本)とあるように、誤って捕らえた正直者を赦す意とするが、そのような字の構造はありえない。字はかすみ網などをしかけておく意であろう。〔呂覧、異用〕に「湯(たう)(殷の祖王)、(いの)りてするの、四面に置くを見る」とあるのが、字の初義である。のち設置・所置・放置の意となる。

[訓義]
1. おく、しかけておく、もうける、すえおく、たてる。
2. さしおく、ひかえる、のこす、とどめる。
3. ゆるす、はなす、とく、やすんずる。
4. うまつぎ、駅をおく。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕置 スウ・イタル・アラハス・ヲシム・ユルス・スツ・タツ・ヌク

[語系]
置tjik、tjiekは声近く、(し)にも「おく」という訓がある。眞(真)は行路の人の屍体、それを祀屋に入れて祀ることをいう。また値dikは〔説文〕八上に「措(お)くなり」とあり、これも「措置」のように連用する字である。

[熟語]
置怨・置議・置却・置給・置・置遣・置言・置質・置辞・置酒・置錐・置設・置想・置対・置亭・置逓・置伝・置弁(辨)・置弁(辯)・置法・置問・置郵・置立
[下接語]
安置・位置・駅置・開置・供置・僑置・建置・拘置・裁置・処置・常置・設置・措置・装置・停置・転置・伝置・倒置・配置・廃置・備置・標置・布置・置・並置・別置・放置・郵置・留置

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改訂新版 世界大百科事典 「置」の意味・わかりやすい解説

置 (おき)

三味線音楽楽曲構成部分の名。オキとも書き,長唄や浄瑠璃などの楽曲を構成している部分の中で,本文に先だつ序曲の部分をさす。舞踊の場合は人物の登場しない前の部分。いずれも情景描写や人物の説明などが行われる。正式には置の部分が唄なら〈置唄〉,浄瑠璃なら〈置浄瑠璃〉という。序破急の序にあたり,比較的ゆっくりしたテンポで演奏され,三味線調絃本調子が用いられることが多い。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「置」の意味・わかりやすい解説


おき

日本音楽,舞踊の用語。三味線音楽およびその伴奏による舞踊の楽曲構成において,発端を示す序の部分をいい,舞踊の場合,人物が登場する以前の部分となる。長唄では置唄,浄瑠璃では置浄瑠璃といい,いずれにしろゆっくりしたテンポの本格的な演奏で,本調子の調弦によることが多い。

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