デジタル大辞泉
「決り」の意味・読み・例文・類語
しゃくり【▽決り】
《「さくり」の音変化》
1 中がくぼむように削ること。しゃくること。
2 おだてること。そそのかし操ること。
「是もやっぱり―かと気で気をとり直しては」〈洒・籬の花〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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きまり【決・極】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「きまる(決)」の連用形の名詞化 )
- ① 決定。決着。
- [初出の実例]「それぢゃア確定(キマリ)だ」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉六)
- ② きちんとしていること。秩序。しまり。
- [初出の実例]「遊の節々に極(キマリ)なければ」(出典:滑稽本・風来六部集(1780)里のをだ巻評)
- ③ 規則。制度。
- [初出の実例]「又、地券の御制度(キマリ)を設けられしも」(出典:開化のはなし(1879)〈辻弘想〉初)
- ④ 一定していること。いつもそうであること。定例。
- [初出の実例]「貴様ははでな表具でどこへいき給ふ、きまりの御筋か」(出典:咄本・聞上手二篇(1773)染の介)
- ⑤ 一定の額。
- [初出の実例]「定額(キマリ)だけ進(あ)げて置いた上はもう進げられません」(出典:付焼刃(1905)〈幸田露伴〉一)
- ⑥ きまり文句。
- [初出の実例]「善六さん極(キマ)りを云ってらア」(出典:真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉二〇)
- ⑦ ( 「きまりがわるい」「きまりのわるい」の形で用いることが多い ) 他人に対する気持。面目。
- [初出の実例]「気まりを悪がって口数をきかず」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)
- ⑧ 客と遊女が恋に陥ること。色事が成立すること。
- [初出の実例]「今夜のぬしの客衆は飛んだきまりだの」(出典:咄本・くだ巻(1777)客の噂)
- ⑨ 物事がきちんと思い通りにまとまること。「しめた」「うまい」の気持で感動詞のように用いることもある。明和・安永(一七六四‐八一)頃の流行語。
- [初出の実例]「ヲヲ、きまり。粋(すひ)め。重さんどうでも、はだしじゃはだしじゃ」(出典:洒落本・辰巳之園(1770))
さくり【決・抉・刳】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「さくる(決)」の連用形の名詞化 )
- ① 掘ること。また、掘った所。特に、鍬で土を打ち返した所。また、その溝。うね。
- [初出の実例]「山里のさくりの上にしりかけて小稲(をしね)こく間に雨ぞ降りぬる」(出典:行宗集(1140頃))
- ② 流鏑馬(やぶさめ)や笠懸(かさがけ)などの騎射(うまゆみ)のとき、馬を走らせるために馬場に設けた埒(らち)の間の道筋。
- [初出の実例]「今日騎射馬决浅馬頻走上」(出典:宇槐雑抄‐保延三年(1137)九月二四日)
- ③ 馬などが通ったあとに、地面にできるくぼみ。また、その足跡。
- [初出の実例]「身を何となすのの原に顕はれ出しを狩人の、追つまくつつさくりにつけて」(出典:光悦本謡曲・殺生石(1503頃))
- ④ 敷居(しきい)や鴨居(かもい)などに設けた戸をすべらせる溝。〔日葡辞書(1603‐04)〕
しゃくり【決・抉】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「しゃくる(決)」の連用形の名詞化 )
- ① 中がくぼむようにえぐること。
- ② うまいことを言って、人を欺いたり、そそのかしたり、おだてたりすること。
- [初出の実例]「桶ぶせといつは遣(やり)手がしゃくりなり」(出典:雑俳・川柳評万句合‐明和元(1764)仁一)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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