見性寺(読み)けんしようじ

日本歴史地名大系 「見性寺」の解説

見性寺
けんしようじ

[現在地名]藍住町勝瑞

JR勝瑞しようずい駅北西方、勝瑞城本丸跡にある。竜音山と号し、臨済宗妙心寺派。本尊釈迦如来。寺伝によると、宝治二年(一二四八)に阿波国守護小笠原長久が父長房の菩提のため美馬みま岩倉いわくら(現脇町)建立宝珠ほうじゆ寺と号した。その後永正年間(一五〇四―二一)に三好元長が同一七年討死した祖父之長(長輝、見性寺殿)の菩提を弔うため、興庵を中興として勝瑞城下に移して再建、寺名を改めたという。大永七年(一五二七)二月二日には、井隈いのくま庄地頭分内浜崎一町九反、井隈の内勝瑞分一町一反(ただし寺家廻すけたうの内竹田孫次方知行分)、淡州柿寺のうち竹内新兵衛付方知行分の所々田地が、之長菩提のため段銭・課役を免除のうえ、三好元長から見性寺に寄進された(「三好元長寄進状」見性寺文書)


見性寺
けんしようじ

[現在地名]熊本市坪井四丁目

浄行寺じようぎようじ交差点から西に俗称たて町通を約一〇〇メートルの所に赤鳥居あかとりいがあり、そこから北に約二〇〇メートルの東側にあり、北側に本光ほんこう寺がある。雲祥山と号し、臨済宗妙心寺派、本尊釈迦三尊。「国誌」は「米田監物是季、亡父見性院米田助右衛門是正追善ノ為メ之ヲ建立ス、開山ハ三級和尚、爾来米田氏代々ノ菩提所也」と記している。開基年代は不明だが、是季は万治元年(一六五八)に没し、明暦(一六五五―五八)頃の絵図にはまだ見性寺はみえないので、明暦の末頃と思われる。その後米田家代々の菩提所となる。米田家は熊本藩の三家老家の一家で、初祖宗堅は戦国時代には室町幕府将軍に仕えたが、天正一〇年(一五八二)に剃髪して細川藤孝に仕え一〇〇石合力米を与えられ、その後譜代重臣としての地位をえた。


見性寺
けんしようじ

[現在地名]秋田市土崎港中央二丁目

西は嶺梅れいばい院。日蓮宗、観広山と号し、本尊は釈迦牟尼仏

明治(一八六八―一九一二)頃の寺院台帳(秋田県庁蔵)には「旧藩主佐竹義宣ノ家臣宇垣一蔵秀行開基」とみえ、「土崎港町史」によれば秀行は寛永一一年(一六三四)九月三日に死去しているので、それ以前の開基と思われる。元文年間(一七三六―四一)の湊古絵図によれば、下酒田しもさかた町東裏側に建立されたと思われるが、数度の火災により、大正二年(一九一三)現在地の法興ほうこう寺跡に移転した。


見性寺
けんしようじ

[現在地名]宮津市字小川

江戸時代の魚屋町うおやまち枝町の小川町おがわまちにある。一心山と号し、浄土宗、本尊は阿弥陀三尊。

宝永二年(一七〇五)の創建。与謝蕪村ゆかりの寺として、蕪村ぶそん寺ともよばれる。蕪村の「新花摘」に「むかし丹後宮津の見性寺といへるに、三とせあまりやどりゐにけり」とある。


見性寺
けんしようじ

[現在地名]青森市浜田 玉川

浜田はまだの中央部、玉川たまがわにある。直指山と号し、曹洞宗。本尊釈迦如来。もと青森常光じようこう寺末寺。

山号はもと浦町うらまち村にあった直指ちよくし庵に由来する。直指庵は、元禄一四年(一七〇一)黒石町(現黒石市)黄檗宗法眼ほうげん寺南宗の弟子竜峰が開基となり浦町村に建立され、明治二一年(一八八八)日本鉄道の建設に当たって土地が買収され廃寺となった。


見性寺
けんしようじ

[現在地名]上三川町多功 城ノ内

多功たこう城跡南方にある。曹洞宗。星宮山多功院と号し、本尊は貞享元年(一六八四)作の聖観音縁起によれば、建暦二年(一二一二)筑後守平貞能が当地に草庵を結び、当寺の前身である浄土宗建昌寺を開創。宝治二年(一二四八)多功宗朝が開基となり多功城築城の折に七堂伽藍を建立、寺領を寄進し、多功氏の菩提所としたと伝える。宝徳三年(一四五一)伝室存的を下総安穏あんのん(現茨城県結城市)から中興開山として招き、曹洞宗見性寺と称したという。


見性寺
けんしようじ

[現在地名]八百津町伊岐津志

伊岐津志の立壁いぎつしのたてかべにあり、桂林山と号し、臨済宗妙心寺派。本尊阿弥陀如来。寺蔵の由緒書によると、弘安年中(一二七八―八八)鎌倉建長寺一一世約翁徳検の開創になり、桂林山久昌寺と称した。開基は伊岐津志氏である。正平六年(一三五一)伊岐津志合戦の折兵火にかかり一時中絶、延徳二年(一四九〇)景川宗隆が改派開山として開基し、妙心寺派に属したが、のち度々兵火にかかり荒廃した。


見性寺
けんしようじ

[現在地名]春日井市内津町

水洞山と号し、曹洞宗。本尊は釈迦如来。寺書上(当寺蔵)によると、草創年月は不詳、開基卍室長吉は天文二年(一五三三)に没した(徇行記)。「寛文覚書」に「大草村福厳寺末寺」と記されている。安永六年(一七七七)万松ばんしよう(現名古屋市)の綱国玄堤が中興。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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