談義(読み)ダンギ

デジタル大辞泉 「談義」の意味・読み・例文・類語

だん‐ぎ【談義/談議】

[名](スル)
話し合うこと。相談すること。「―を重ねる」
物事意義内容などをやさしく説くこと。また、その話。「教育―」
意見すること。教えさとすこと。こごと。
「今日は今しもお―を始めたところと見え」〈柳浪・骨ぬすみ〉
仏法因果道理を説くこと。また、その話。法談
[類語](1論ずる論議議論言論公論論弁論判あげつらう/(4説教説法講話講演講座進講法話道話訓話訓示嘉言

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精選版 日本国語大辞典 「談義」の意味・読み・例文・類語

だん‐ぎ【談義・談議・談儀】

  1. 〘 名詞 〙
  2. はなし合うこと。相談してとりはからうこと。談合。
    1. [初出の実例]「此日兼光卿来、召簾前〈縁賜円座〉。談義宇佐宮之間事」(出典:玉葉和歌集‐文治二年(1186)七月一日)
    2. [その他の文献]〔南史‐張裕伝〕
  3. 道理を説ききかせること。意義を説くこと。文学、芸術その他種々のことについて解説し、論説して示すこと。また、その講義や書物。
    1. [初出の実例]「高松殿の東向の常に在る所にて、歌のだむぎありて、我も謡ひて聴かせ」(出典:梁塵秘抄口伝集(12C後)一〇)
    2. [その他の文献]〔南斉書‐柳世隆伝〕
  4. 仏語。仏教の法義や宗旨について説き明かすこと。説法をすること。また、その話。論義法要における問答の意にも用いる。法談。
    1. [初出の実例]「寂超入道談義すと聞きてつかはしける」(出典:山家集(12C後)中)
  5. 意見をすること。こごとを言うこと。また、そのこごと。訓戒。
    1. [初出の実例]「額に皺よせ談義(ダンギ)の口あけせらるる所」(出典:浮世草子・世間娘容気(1717)二)

談義の語誌

( 1 )本来は「談義」が物事の道理を説き明かすこと、「談議」が談話・論議をすることという異なる意を持つ漢語であるが、両者は混同して用いられることが多い。
( 2 )日本では中世以降、「談義(談議)」を多く「説法」「説教」「法談」などと類義の仏教用語として用いており、江戸時代に現われる通俗小説「談義本」の名称もこれに基づく。しかし明治半ば以降には「説教」が広く用いられるようになり、「談義(談議)」「説法」「法談」の語は衰退した。
( 3 )現代語では「教育談義」など、「…談義」の形でややくだけた場面で論議を示す用法が残っている。

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改訂新版 世界大百科事典 「談義」の意味・わかりやすい解説

談義 (だんぎ)

本来は仏法の法義を談ずることで,ディスカッションであったものが,一般民衆に説法する意味になり,法談とも文談ともよばれた。法義の論談講義の場所は談義所または檀林とよばれたが,説教談義ははじめ法会の会座でおこなわれた。法然の円頓戒談義や東大寺の法華義疏談義は,それぞれの法会にちなんだ談義であった。しかし説経が,経典の内容を説くことから興味本位の譬喩談を節をつけて語るようになったのとおなじく,談義も娯楽本位になっていった。とくに浄土教関係の談義僧が多くなり,浄土真宗本願寺3世覚如宗昭の長子存覚は多くの談義本を書いたといわれる。談義僧は夜談義,辻談義,門談義をおこなうようになり,近世には,信仰から離れた人情談などを語る不浄説法を禁止する法度が出されたほどである。
執筆者: 談義所は中世の末期に全国各地に設けられたが,江戸時代に入ると真宗などでは芸能的な節談(ふしだん)説教が盛んに口演されたので,談義所(説教所)は娯楽の殿堂と化した一面がある。談義僧は説教者ともよばれ,仏教の教義を興味深く話すことを旨としたが,噺家(はなしか)と同じような活動をして芸人化した。また民間には僧形をした在俗の芸人も現れ,仏教的な咄(はなし)をして喜捨を受けた。元禄(1688-1704)のころ京都の露の五郎兵衛は僧形で咄をして露休という僧名も用いたが,彼の辻咄は辻談義ともいわれた。寺院での談義は朝,昼,夜におこなわれていたが,しだいに娯楽化して話芸的要素を濃くした。宝永・正徳・享保(1704-36)のころには霊全(りようぜん)の辻談義・笑(わらい)談義が知られ,増穂残口や深井志道軒は談義僧から講釈師に転向した。さらに《当世下手談義》《当風辻談義》《下手談義聴聞集》など談義物または談義本とよばれる読みものが宝暦・明和・安永(1751-81)のころに次々と出版されたが,その著者たちの多くは談義僧の出身である。談義僧は説教の俗受けをねらって話芸を演じた。後世の寄席における高座・前座・中入り,師匠と弟子などの呼称は談義(説教)から出たものであり,説教と話芸の深いかかわりを示している。
講談
執筆者:

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普及版 字通 「談義」の読み・字形・画数・意味

【談義】だんぎ

道理のことを論ずる。〔南史、張裕伝〕(張)、少(わか)くして光祿大夫顏之と居す。顏、談義飮酒、喧呼(けんこ)することえず、は靜默にして、言聲無し。後、、客と談ずるに、辭義玄なり。之、心す。

字通「談」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「談義」の意味・わかりやすい解説

談義
だんぎ

説法

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