精選版 日本国語大辞典 「越・超・踰」の意味・読み・例文・類語
こ・える【越・超・踰】
〘自ア下一(ヤ下一)〙 こ・ゆ 〘自ヤ下二〙
※方丈記(1212)「風にたへず、吹き切られたるほのほ、飛ぶが如くして一二町をこえつつ移りゆく」
② (「年が越える」などの形で) 年が二年以上にわたる。また、区切りとなるある日時が過ぎる。その時を経過する。
※竹取(9C末‐10C初)「つかはしし人は、夜昼待ち給ふに年こゆるまで音もせず」
③ 数量がある程度以上になる。
※大唐西域記巻十二平安中期点(950頃)「狭きは則ち一里を踰(コエ)ず」
④ ある範囲や限界内にとどまらず、その外へ出る。
※方丈記私記(1970‐71)〈堀田善衛〉三「現実はやはり想像を越えていた」
⑤ 位、段階など、順を追わないで間を飛んで上に進む。また、他の人を抜いて上の地位になる。
※落窪(10C後)四「昨日けふの若人どもに多くこえられて」
⑥ 他よりすぐれる。ぬきんでる。まさる。
※源氏(1001‐14頃)柏木「いみじきことを思ひ給へ歎く心は、さるべき人々にもこえて侍れど」
⑦ 規則にそむく。規則にはずれる。
※日葡辞書(1603‐04)「ノリヲ coyuru(コユル)」
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