精選版 日本国語大辞典 「雑色」の意味・読み・例文・類語
ぞう‐しき ザフ‥【雑色】
ざっ‐しき【雑色】
ざっ‐しょく【雑色】
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古代の律令(りつりょう)制に始まる用語で、中世より近世まで用いられたが、いずれも下級の諸種の身分と職掌を表す。
古代では、「諸司雑色人」といって、朝廷の官人や有位者の下にあって、雑使に従う使部(しぶ/つかいのよぼろ)、宮廷の諸門の守衛、殿舎の清掃・管理・修理、乗輿(じょうよ)の調進、供御(くご)の食物の調理、水氷の供進などにあたる伴部(ばんぶ/とものみやつこ)などの職種があった。それより身分が低く、宮廷工房で生産にあたる品部(しなべ)・雑戸(ざっこ)も雑色に含める解釈もあり、各官司で、写書、造紙、造筆、造墨、彩色、音楽などに従う諸生・諸手もそうよばれた。また造寺司のもとの各所の下級官人や、仏工、画師、鋳工、鉄工、木工、瓦(かわら)工などの工人も、このうちに含まれる。これらは、一般の農民=白丁(はくてい)とは区別され、属吏としての身分をもち、また官位を有するものもあり、課役を免除される点に特色がある。
その後、雑色の概念は拡大され、「諸国雑色人」といって、国衙(こくが)や郡家で、上記に準じた身分のもの、「諸家雑色人」として貴族の家務に従う従者にも適用され、また蔵人所(くろうどどころ)をはじめ政府の諸所が成立すると、蔵人所雑色のような特殊なものも現れる。
中世に入って、武家の従者が雑色とよばれるのは、おもに「諸家雑色人」の系譜を継ぐもので、幕府の番衆の下級役人から、一門以外の従者に及ぶまで用いられた。
[平野邦雄]
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雑色人とも。組織・支配系統のなかで下層に位置づけられた人々をさす。具体的な内容は時代・用例により異なる。古代では(1)品部(しなべ)・雑戸(ざっこ)の総称,(2)官衙の下級職員,(3)王臣家の下級家務従事者,(4)国家の造営事業に従事した工匠などの総称,といった用例がある。なお(3)の用例は中世以降にもみられる。中世ではこのほかに幕府で雑役を勤めた下級職員をさす場合もある。近世の京都では四座雑色(しざのぞうしき)という町役人的存在がみられる。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…供御物貢進の体制は,その後11世紀後半以降再び大きく改革され,中世的な御厨と供御人(くごにん)の体制が成立するが,蔵人所はひきつづき供御人に対する裁判権を掌握し,その本家的な存在として,彼らの活動を保護する一方で,彼らの奉仕による収入を重要な経済基盤とした。
[蔵人所の職員]
蔵人所には別当,蔵人頭,蔵人,非蔵人,雑色(ぞうしき),所衆,出納,小舎人(こどねり),滝口,鷹飼等の職員が置かれた。別当(1名)は蔵人所の総裁である。…
…五十嵐,荻野,松村,松尾の4氏が統括したので四座と称した。四座雑色の起源は室町幕府で京都の検断を行った侍所の小舎人雑色にもとめられるが,江戸幕府による京都支配機構の末端に組み入れられたのは1601年(慶長6)板倉勝重が四座に四方内を分担させて以来のことである。もとは荻野,五十嵐の2氏のみであったが,足利義政のころに松尾,松村の2氏が加えられた。…
※「雑色」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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