くねる(読み)クネル

デジタル大辞泉 「くねる」の意味・読み・例文・類語

くね・る

[動ラ五(四)]
幾度もくりかえして折れ曲がる。くねくねする。「―・った山道
すねるように愚痴をこぼす。ひがんだような態度をとる。
「世をうらみ―・らせ給ふ」〈夜の寝覚・五〉
[類語](1折れ曲がる曲がりくねるうねる蛇行する/(2ぶうぶうなんのかのとやかくなんだかんだどうのこうの減らず口愚痴る愚痴をこぼすぼやくこぼすごねるごてるああ言えばこう言う御託を並べる言葉を返す異を唱えるけちを付ける

クネル(〈フランス〉quenelle)

肉・魚などをすりつぶし、卵・パン粉調味料などを加えて球状円筒形に形づくり、ゆでたり蒸したりしたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「くねる」の意味・読み・例文・類語

くね・る

  1. ( 「曲・拗」などの漢字をあてることもある )
  2. [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
    1. 折れ曲がる。たわむ。くねくねする。うねる。
      1. [初出の実例]「弓をもさいさいからげねばくねるぞ」(出典:京大二十冊本毛詩抄(1535頃)一五)
    2. 不平、不満、うらみがましさなどを、すねるかたちで表現する。ひがんだような態度を見せる。
      1. [初出の実例]「『なほ、年のはじめに、はらたちなそめそ』などいへば、すこしはくねりて、書きつ」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
  3. [ 2 ] 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
    1. まげる。手や足首などをねじる。
      1. [初出の実例]「きいちゃん振仰むき、くねったのよ。〈略〉まだそんな下駄を穿いておいでだ。ダカラくぢきます」(出典:春迺屋漫筆(1891)〈坪内逍遙〉壱円紙幣の履歴ばなし)
    2. すねたようなかたちで愚痴を言う。うらみかこつ。
      1. [初出の実例]「をみなへしの一時をくねるにも歌をいひてぞなぐさめける」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)

く・ねる

  1. 〘 自動詞 ナ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]く・ぬ 〘 自動詞 ナ行下二段活用 〙くねる[ 一 ]
    1. [初出の実例]「汀(みぎは)水鏡して、蟠(わだかま)って太いわりに丈(たけ)短く、妙にくねたるシヂの木の下に」(出典ありのすさび(1895)〈後藤宙外〉三)

クネル

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] quenelle ) 肉・魚などのすり身に、卵・塩・胡椒などを加えて団子状にし、蒸したり茹でたりした料理

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「くねる」の意味・わかりやすい解説

クネル
くねる
quenelles フランス語

肉、魚、エビなどをすりつぶしてつくる「つみ入れ」の一種。作り方を魚を材料にして示すと、皮と骨を除いた魚をすり鉢で十分にすりつぶし、煮立ったミルクにパンを入れスープ状にしたもの(パナードpanade)を加えて、滑らかな種(たね)になるようにすり合わせる。これにバターを加え、卵黄を1個ずつ割り落としてよくすり混ぜ、塩、こしょうで調味する。この種を好みの形(球状、円筒形、卵形など)にして、塩ゆでにする。スープの浮き実や詰め物、他の材料といっしょにクリーム煮などに加えて使用する。

[小林文子]

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「くねる」の解説

クネル【quenelle(フランス)】

西洋風のすり身だんご。鶏肉・子牛肉・魚・甲殻類などをすり身にして、つなぎに卵・小麦粉・パン粉・牛乳などを加え、だんご状にてゆでたり蒸したり焼いたりしたもの。ソースをかけて食べるほか、つけ合わせ・詰め物・スープの浮き実などに用いる。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

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