寒稽古(読み)かんげいこ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

寒中の一定期間,武道などの練習を早朝に行う日本古来の修行法。柔道剣道において実施されており,現在では早朝に限っていない。さから逃避するのではなく,それに積極的に取組み,技術修得よりもむしろ精神力の養成力点をおくことに意味がある。講道館では,1894年以来毎年1月6日から 30日間行なっている。

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世界大百科事典 第2版の解説

一年中でもっとも寒い寒中の一定期間,早朝あるいは夜間に武道音曲を稽古する日本古来の修行法。現代武道においてもこの伝統的な稽古法は広く行われ,寒中に5~15日くらいの間で日数を定め,早朝寒さにうちかって激しい訓練をすることにより,精神的錬磨をおもな目的としている。このような稽古法は〈寒行〉,あるいは〈寒修行〉といわれて,古くから行われていた神道仏教の修行法にその原形を見ることができる。例えば,神社に裸,素足で参詣する寒参り,または寒詣,あるいは参籠,禊祓(みそぎはらえ)や水垢離(みずごり)といった苦行,仏教では奈良時代から行われていた仏名会(ぶつみようえ),山伏の苦行などの思想や方法が一体化して,芸道にもこのような修行法が形成されていったのであろう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

寒の期間に武芸その他の諸芸を修練すること。江戸時代には、武芸では剣術・槍術(そうじゅつ)・弓術・馬術、遊芸では寒復習(かんざらい)ともいい、唄(うた)・浄瑠璃(じょうるり)・三味線など、それぞれ町道場や師匠の家に集まり、その道の技(わざ)を磨いた。いまも武道関係諸団体で同様のことがある。精神修養に主眼を置いた慣行である。正月と重なることが多いため、11日の鏡開きと結び付け、稽古が終わってから汁粉をふるまうなどの例もある。[井之口章次]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 寒中に、早朝または夜間、武芸、スポーツ、音曲などを稽古すること。特に、寒の間三〇日間の稽古をいう。《季・冬》
※俳諧・季引席用集(1818)「寒声つかふ 十二 寒垢離 同 寒古 同」

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