アイ

百科事典マイペディア 「アイ」の意味・わかりやすい解説

アイ(藍)【アイ】

タデ科一年草。東南アジア原産で,染料植物として飛鳥時代以前に中国から渡来。形はイヌタデに似て,高さ50〜70cmになる。早春苗床種子をまき,春植え付け,夏に刈り取り,葉を刻んで乾燥させ葉藍とする。これを積み重ねて発酵させ,臼(うす)でつき固めて藍玉を作り,木灰,石灰およびふすまを混ぜて水を加え加温し建浴(たてよく)とする。これに木綿,麻などを浸し,空中にさらすと紺色に染まる。江戸時代の阿波の藍玉の生産は有名。合成インジゴの開発により栽培は激減したが,高級品を中心に根強い需要がある。藍色の染料植物にはほかにリュウキュウアイ(キツネノマゴ科),インドキアイ(マメ科)があり,それらと区別してタデアイともいわれる。→紺屋(こうや)
→関連項目草木染紺絣染色染料染料作物徳島平野

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

太陽フレア

太陽の表面にあるしみのように見える黒点で起きる爆発。黒点の磁場が変化することで周りのガスにエネルギーが伝わって起きるとされる。ガスは1千万度を超す高温になり、強力なエックス線や紫外線、電気を帯びた粒...

太陽フレアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android