コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

イエス・キリスト Jesus Christ

翻訳|Jesus Christ

1件 の用語解説(イエス・キリストの意味・用語解説を検索)

世界大百科事典 第2版の解説

イエス・キリスト【Jesus Christ】


キリストイエス
 一般にキリストはイエスの別名のように考えられている。実際,新約聖書の中でもパウロの手紙などではキリストとイエスとが区別されていない場合もあるし,古代ローマの歴史家たち(タキトゥススエトニウスなど)は,多くの場合キリストを固有名詞と思っていた。しかし,〈キリスト〉は元来普通名詞で,〈油を注がれた者〉を意味していた。具体的に言えば,それは,旧約聖書の時代,イスラエルの預言者たちによって頭に〈油を注がれて王位についた人物〉,すなわち〈王〉を意味するものであった。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
世界大百科事典 第2版について | 情報

世界大百科事典内のイエス・キリストの言及

【神の子】より

…古代オリエントと旧約聖書(《サムエル記》下7:14,《詩篇》2:7)では王を指す尊称。新約聖書ではイエス・キリストに最も多く冠せられる尊称の一つ。イエス自身が実際に自己をそう表示したわけではなく,生前に神を〈父〉(《マルコによる福音書》14:36)と呼びかけた彼の権威を彼の死後の原始キリスト教団が言い表したもの。…

【キリスト教】より


〔キリスト教の本質〕

【キリスト教とは何か】
 この問いの背後には,かつてイエス・キリスト自身が弟子たちに投げかけた問い〈人々はわたしを何者だと言っているか……あなたたちは,わたしを何者だというのか?〉(《マタイによる福音書》16:13~20,《マルコによる福音書》8:27~30,《ルカによる福音書》9:18~21,《ヨハネによる福音書》6:67~71)がひそんでいる。この後者に答えることが,前者に対する根本的な答えである。…

【原始キリスト教】より

…その上限は,イエスをキリストと信ずる信徒たちを成員とする共同体が成立した時期であるが,これが〈教会〉という形をとるのはイエスの死後,後30年代に当たる。
[原始教会の成立]
 最初の教会(いわゆる〈原始教会〉)は,《使徒行伝》の著者ルカによれば,聖霊の降臨にあずかった十二使徒を中心としてエルサレムに成立し,ペテロに代表される彼らの宣教内容はイエス・キリストの復活にあった。キリスト信仰の成立に,かつてのイエスの弟子たちの有した,復活のイエスの顕現体験に基づく復活信仰が大きな役割を果たしたことは事実である。…

【魚】より

…とくに魚の図像は,古代ローマのカタコンベ(地下墓所)の壁画や地中海沿岸各地の石棺ないし墓碑の浮彫などに数多く発見され,最古のものは2世紀にさかのぼる。初期キリスト教徒が魚をキリストの象徴として使用したのは,ギリシア語で〈魚〉を意味する〈イクテュスichthys〉が,〈イエス・キリスト,神の子・救い主〉を意味するギリシア語〈Iēsous Christos,Theou Hyios Sōtēr〉の五つの頭文字の組合せと一致していることと関係があると説明されているが,歴史的な由来は定かではない。ただし,このイクテュスということばが,イエスに対する信仰の告白の一つの様式であったことは確かであり,この種の例は,初期キリスト教文学,たとえばエウセビオスの《コンスタンティヌス伝》やアウグスティヌスの《神の国》などにみることができる。…

【死】より


[孔子,仏陀,キリスト]
 ところで,中国の孔子は〈われいまだ生を知らず,いわんや死においておや〉といって,死を未経験の領域に位置づけているが,インドの仏陀は死を涅槃(ねはん)ととらえ,永遠の生命にいたるための出発点と考えた。これに対してイエス・キリストは十字架上で犠牲になり,死んでよみがえった。すなわち,おおづかみにいって,孔子は死を不可知の対象ととらえ,仏陀はそれを生の充実と考えた。…

【受難】より

…福音書(《マタイによる福音書》21~27章,《マルコによる福音書》11~15章,《ルカによる福音書》19~23章,《ヨハネによる福音書》12~19章)の記述によると,宣教の旅の最後にエルサレムに至ったイエス・キリストは,そこで逮捕されて裁かれ,虐待を受けた後,十字架上で刑死した。キリスト教では,この間にイエスが受けた苦難を〈受難〉と呼び,これによって人間の原罪をイエスが贖(あがな)ったと考える。…

【処女懐胎】より

…いわゆる〈丹塗り矢式〉の神婚説話として広く分布する伝承であるが,石田英一郎によると,こうした各地に流布する説話伝承の背後には,すでに消滅しかけた処女懐胎の古信仰があるという(《桃太郎の母》)。感精伝説
[処女マリアとイエスの誕生]
 キリスト教世界では,処女懐胎の伝承は,もっぱら神の子イエス・キリストの誕生物語(処女降誕)として伝えられている。マリアには,許婚者のヨセフがいたが,結婚する前に天使の御告げ(聖告)を聞き,聖霊によってみごもり,ベツレヘムで男子を出産したというのである。…

【信仰治療】より

…これが手当て,按手の意味である。イエス・キリストも〈病人に手をおけばいやされる〉(《マルコによる福音書》16:18)と述べ,かつ病める者もまた進んでイエスの身に触れようとした。〈それからイエスは,ペテロの家にはいっていかれ,そのしゅうとめが熱病で,床についているのをごらんになった。…

【聖遺物】より

…例えば南イタリアのモンテガルガノには,大天使ミカエルが巌頭に残したという真紅のマントがあった。イエス・キリストやマリアについても同様だが,キリストのへその緒だけは地上に残されたはずと信じられた。十字軍が始まると東方から大量の聖遺物が流入する。…

【聖書】より

…聖書はイスラムの聖典コーランのような一人物を通しての天啓の書物とは異なって,古代イスラエル民族と原始キリスト教の長い歴史の流れの中で多くの人々の手になった多様な文書を収めている。聖書は旧約聖書Old Testamentと新約聖書New Testamentから構成されているが,この区別と名称は2世紀になって初期の教会が福音書や書簡などを,イエス・キリストによる〈新しい契約〉を啓示する書物の意味で新約聖書と呼び,ユダヤ教から継承した聖典をこれと区別して〈古い契約〉(《コリント人への第2の手紙》3:14)の意味で旧約聖書と呼ぶようになったことに由来する。イエスをメシア(救世主)とは認めないユダヤ教では,キリスト教会によって旧約聖書と名づけられた文書が唯一の聖典である。…

【ピエタ】より

…死せるイエス・キリストを膝に抱いて嘆き悲しむ聖母マリア像。14世紀初頭にドイツで創出された新しい図像で,埋葬する前にわが子を抱きしめて最後の別れを告げる聖母を,説話の時間的・空間的関係から切り離して独立像に仕立てたもの。…

【ピラト】より

…総督就任の際,ローマ皇帝像を描いた軍旗を掲げてエルサレムに入城したり,水道の建設資金をエルサレム神殿の金庫から流用し,これに抗議する民衆を虐殺するなど,ローマの権力を背景に高圧的な反ユダヤ政策をとった。しかしイエス・キリストの裁判の際には,ユダヤ教徒の圧力に屈して,不本意ながら彼を十字架刑に処した。その後失政を重ねたあげく,36年にサマリアの民衆虐殺事件でローマに召還され,自殺したとも伝えるが,キリスト教徒になったという伝承もあり,コプト教会やエチオピア教会は彼とその妻を聖人としている。…

【ベツレヘム】より

…エルサレムの南10kmにある町。人口約3万2000。ヘブライ語で〈パンの家〉を意味する。アラビア語ではバイト・ラフムBayt Laḥmとよばれる。ダビデ王の生地。後にメシア信仰の象徴となる。イスラエルを救うメシアはダビデの子孫の中から出てくるからである(《ミカ書》5:2)。キリスト教の伝承によれば,イエスの父はダビデ家の子孫であり,イエスはベツレヘムで生まれた。4世紀にコンスタンティヌス大帝が降誕教会を建設,ヒエロニムスのラテン語訳聖書(《ウルガタ》)は,この教会の地下の一室で生まれた。…

【マリア】より

…語源はヘブライ語miryāmまたはアラム語のmaryāmで,〈ふとった女〉(すなわち〈美女〉)の意とされる。旧約聖書にはモーセとアロンの姉妹の名として出てくるし(《出エジプト記》15:20),新約聖書でもマリアの名をもつ人物はマグダラのマリア以下何人もいるが,一般にマリアといえばイエス・キリストの母,いわゆる聖母を指す。東方では4世紀以降,とくに431年のエフェソス公会議以降テオトコス(〈神を生んだ者〉の意)と呼ばれることが多く,他にパナギアPanagia(〈至聖なる女〉の意),メテル・テウMētēr Theou(〈神の母〉の意。…

【幼児虐殺】より

…新約聖書《マタイによる福音書》2章16~18節に見られるイエスの幼児期に関する物語。嬰児(えいじ)虐殺ともいう。ベツレヘムにユダヤ人の王となる救世主が生まれたことを知ったヘロデ大王は,それを確かめるため,東方から来た三博士を遣わす。幼児イエスを拝んだ博士たちは夢のお告げでヘロデの悪意を知ると,彼のもとには戻らずにそのまま故国に帰る。博士たちに裏切られた王は激怒し,ベツレヘムとその周辺地方の2歳以下の男児を一人残らず殺害したが,イエスとその家族は,ヨセフの夢にあらわれた天使のお告げに従い,虐殺の前にエジプトに逃れ,ヘロデが死ぬまでそこにとどまった。…

【善き羊飼い】より

…イエス・キリストの象徴的な呼称および図像。〈善き牧者〉ともいう。…

【リンボへの降下】より

…聖書の正典中には明確に語られていないが,新約外典の《ニコデモによる福音書》に詳述されているイエス・キリスト伝中の説話。キリストは〈埋葬〉と〈復活〉の間に〈リンボ〉に降り,彼が福音をもたらす以前に生きた正しき人々を救い出して,天国に連れのぼる。…

※「イエス・キリスト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

稀勢の里寛

1986- 平成時代の力士。昭和61年7月3日生まれ。中学卒で鳴戸部屋に入門し,平成14年3月初土俵。16年5月新十両,同年11月には18歳4ヵ月で新入幕をはたす。18年7月新三役小結,21年3月新関...

続きを読む

コトバンク for iPhone

イエス・キリストの関連情報