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パリのオペラ,バレエ専門の国立劇場。国立音楽・舞踏アカデミーAcadémie nationale de Musique et de Danseと称し,その起源は,1671年ペランPierre Perrinがルイ14世の勅許を得て創立した王立音楽・舞踏アカデミーにさかのぼる。現在の劇場はその時点から数えて13番目に当たり,19世紀の劇場・歓楽街であったいわゆるグラン・ブールバールの右寄りの地点に位置する。C.ガルニエの設計になり,1862年に着工,75年に完成した第二帝政様式の建築の最も重要なもの。観客席数2167,舞台面積1200m2,間口16m,奥行き37m,舞台奈落から天井まで17階,客席は全部で5階に配分され,当時はもちろん現在でも,いわゆるイタリア式額縁舞台としては最大のものに属する。劇場の外面と内部の豪奢な装飾には,正面の彫刻《舞踏》で名高いカルポーをはじめ,同時代の一流の彫刻家,画家が協力しており,とくに正面入口から客席へと通じる大理石の列柱に囲まれた大階段や,正面バルコニーと平行してしつらえられた鏡張りの大廊下は名高い。客席の天井画は,文化相マルローの発案で1964年シャガールが新しく描いたもの。1672年に勅許を独占するJ.B.リュリが,イタリア起源のオペラとフランスの宮廷で好まれたバレエを統合してフランス・オペラを確立して以来,代々のオペラ座は,グランド・オペラとバレエの二つの舞台表現においてフランスの公式の劇場であり続けたが,近年では1970年代に総支配人となったロルフ・リーベルマンの改革により,この劇場の黄金時代が出現した。
執筆者:渡辺 守章
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…初演1955年11月5日,ベートーベン《フィデリオ》。 オペラ座l’Opéra de Paris(正式名はパリ国立歌劇場Théâtre nationale de l’Opéra de Paris)1671年王立音楽・舞踏アカデミーにおいてペランとカンベールによる《ポモーヌ》公演が始まり。1875年,現在の劇場完成(1862着工,2167席,建築設計C.ガルニエ)。…
…初演1955年11月5日,ベートーベン《フィデリオ》。 オペラ座l’Opéra de Paris(正式名はパリ国立歌劇場Théâtre nationale de l’Opéra de Paris)1671年王立音楽・舞踏アカデミーにおいてペランとカンベールによる《ポモーヌ》公演が始まり。1875年,現在の劇場完成(1862着工,2167席,建築設計C.ガルニエ)。…
…ワーグナーの手で建設されたバイロイト祝祭劇場は,作曲家であり演出家でもあったワーグナーが,自分の理想を実現するために構想したもので,舞台とその後方に接続する大道具格納庫の巨大さが目を奪う。ミラノのスカラ座,ウィーン国立歌劇場,パリのオペラ座,ニューヨークのメトロポリタン歌劇場など,世界的に著名なオペラハウスは,いずれも目をみはるほど整備された舞台機構をもっている。一方,一幕物形式あるいは小規模なオペラを上演するためには,かえって小づくりな室内風のオペラハウスが適合する場合があり,ミラノのスカラ座に併設されたピッコラ・スカラ(小スカラ)は,その典型的な例である。…
…ラブルーストらより約1世代遅れてエコール・デ・ボザール(国立美術学校)の教育を受け,1848年23歳でローマ大賞を受ける。パリのほか南フランスにもいくつかの作品を残したが,とりわけパリのオペラ座(1875)が知られる。ほかにモンテ・カルロのカジノ(1882),ビッテルVittelの温泉(1884)などがあり,いずれも雄大なスケールでネオ・バロック建築の名にふさわしい。…
…ビスコンティLudovico Visconti(1791‐1853)とルフュエルHector M.Lefuel(1810‐81)は,ルーブル宮殿新館でイタリア・バロック風の彫塑的な壁面とマンサード屋根を組み合わせ,これは,いわゆる〈第二帝政式〉として流行した。また,C.ガルニエのオペラ座(1861‐74)はその豪華壮麗さで世界を驚かせ,当時帝国主義的競争の渦中にあった先進諸国は,ネオ・バロック様式こそ国家の威信を最もよく表現する建築様式とみなして,いっせいに採用するようになった。ブリュッセルの高等裁判所(1866‐83),ウィーンの王立劇場(1874‐88),ベルリンの帝国議事堂(1884‐94)などはその代表作として著名である。…
…パリのオペラ座所属のバレエ団。1661年王立舞踊アカデミーとしてルイ14世により設立され,71年王立音楽アカデミーと合体した。…
※「オペラ座」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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