フィナーレ(その他表記)〈イタリア〉finale

デジタル大辞泉 「フィナーレ」の意味・読み・例文・類語

フィナーレ(〈イタリア〉finale)


交響曲ソナタなどの最後楽章終章終曲
オペラで、各幕あるいは全曲の最後の場面。幕切れ
演劇などの最後の幕。また、物事の締めくくりの部分大詰め。
[類語]終わり最後おしまい終了終結終焉しゅうえん終末果てし幕切れ閉幕打ち止めちょんかんりょうジエンドしま最終結末結び締めくく結尾末尾掉尾とうび・ちょうび終局終幕大詰め土壇場どたんばどん詰まりすえラストエンディングフィニッシュ

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精選版 日本国語大辞典 「フィナーレ」の意味・読み・例文・類語

フィナーレ

  1. 〘 名詞 〙 ( [イタリア語] finale )
  2. ソナタ、交響曲、オペラなどの楽曲の最終楽章のこと。
    1. [初出の実例]「序曲にも完結(フィナレ)にも幾多の法則が設けられてゐた」(出典:欧洲歌劇の現状(1908)〈永井荷風〉)
  3. オペラの各幕の最終場面。終曲。また、演劇などの最後の幕。終幕。大詰。
    1. [初出の実例]「舞台では『フィナアレ』だ」(出典:浅草紅団(1929‐30)〈川端康成〉一二)
  4. 物事の終わり。最後。
    1. [初出の実例]「吉原の大門を閉めさせた大豪華版でフィナーレとなる紀文の伝記『かっぽれ行進曲』」(出典:新宿と鈴木主水と八木節(1937)〈田中純一郎〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フィナーレ」の意味・わかりやすい解説

フィナーレ
ふぃなーれ
finale イタリア語
finale 英語
finale フランス語
Finale ドイツ語

音楽用語。18世紀中ごろ以降用いられた語で、現在次の2種の用法がある。(1)オペラなどの舞台音楽において、各幕あるいは作品全体の最後の部分。「幕切れ」とも訳される。イタリアのオペラ・ブッファで発展し、この部分では、しばしば一連の関連したアリアや声楽アンサンブル、さらには合唱などによって盛大に構成される。また、レビューやバレエにも同義にこの語が用いられている。(2)協奏曲、ソナタ、交響曲のような三楽章以上からなる器楽曲の最終楽章。これは、ウィーン古典派音楽ではロンドのような速く快活な楽章であったが、ロマン派以降の音楽では作曲家が望む速さや性格をもった楽章となった。

[黒坂俊昭]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フィナーレ」の意味・わかりやすい解説

フィナーレ
finale

音楽・演劇用語。 (1) 多楽章の作品,特にソナタ,あるいは交響曲などの最終楽章。 18世紀から 19世紀にかけては,快活な感じのものが多く,速いテンポでロンド形式ソナタ形式,ときには変奏曲形式などによって書かれた。 (2) オペラの各幕の最後の場面。 18世紀中頃,おもにイタリアのオペラ・ブッファにおいて発展した。劇的な効果をあげるため通常ほかのアリアや重唱より長く,異なった性格をもついくつかの部分から複合的に構成される。 (3) 演劇やミュージカル・ショーなどで最後に出演者が全員舞台に登場する場面。

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世界大百科事典(旧版)内のフィナーレの言及

【楽章】より

…急速楽章,緩徐楽章などテンポや書法などの違いから区別することもある。一つの部分しかない場合を単一楽章といい,多楽章の場合,順序によって最初のものを第1楽章,最後のものを終楽章ないしフィナーレともいう。【土田 英三郎】。…

※「フィナーレ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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