九重山(読み)くじゅうさん

  • くじゅうさん クヂュウ‥
  • くじゅうさん〔クヂユウ〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

大分県熊本県境付近に噴出した火山群の総称活火山で,常時観測火山主峰久住山(1787m)を中心に,東の黒岳(1587m),大船山(1786m),三俣山(1744m)から北西部湧蓋山(1500m)に連なる山群。このうち中岳(1791m)が九州島最高峰九重連山などとも呼び,阿蘇くじゅう国立公園に属する。火山の形態は輝石安山岩成層火山大船山を除いて,すべて角閃石安山岩からなる火山であり,北東方の由布岳(1583m),鶴見岳(1375m)とともに,日本最大の溶岩円頂丘群を形成している。1995年に星生山(1762m)の東山腹で噴火があり,降が観測された。北麓に飯田高原南麓久住高原が広がる。高山植物も多く,コケモモ群落および大船山のミヤマキリシマ群落は国の天然記念物となっている。筋湯温泉,牧ノ戸温泉,星生温泉,七里田温泉,長湯温泉などの温泉地もあり,登山客は年間数十万人にも達する。

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世界大百科事典 第2版の解説

大分県西部にある火山群。峰をに北側が九重(ここのえ)町,南側が久住(くじゆう)町に含まれ,南西山麓は熊本県に属する。西部は久住山(1787m)を中心として,最高峰である中岳(1791m),稲星山(1774m),三俣山(1745m),また東部大船(たいせん)山(1787m)を中心として平治岳(1643m),黒岳(1587m)などの火山が群立し,これらの山間盆地としてミヤマキリシマで有名な坊ヶツルがある。

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大辞林 第三版の解説

大分県西部にある火山群。主峰は久住山くじゆうさん、海抜1787メートル。最高峰は中岳(1791メートル)。南麓なんろくは久住高原。九重連山。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

大分県西部、阿蘇(あそ)カルデラの北東方にあり、白山火山帯に属する安山岩質の第四紀火山群。九重連山ともよぶ。中岳(1791メートル)、久住山(くじゅうさん)(1787メートル)、星生(ほっしょう)山(1762メートル)、三俣(みまた)山(1744メートル)などからなるくじゅう火山群、大船山(たいせんざん)(1786メートル)、黒岳(1587メートル)などの大船火山群、黒岩山(くろいわやま)(1503メートル)、猟師(りょうし)山(1423メートル)、泉水(せんすい)山(1296メートル)などの黒岩火山群に分かれる。これらは溶岩円頂丘であるが、大船山上部には成層火山がのる。星生山の北東側山腹、大船山の南東側山麓(さんろく)には硫気孔があり、とくに前者では活発な硫気活動や水蒸気爆発が記録されている。温泉も多く、大岳(おおたけ)(出力1.1万キロワット)、八丁原(はっちょうばる)(5万キロワット)の両地熱発電所もある。久住山を中心に三俣山など1500メートル以上の地域に分布するコケモモの群落、大船山を中心に900メートル以上の地域に分布し6月の開花期に美観を呈するミヤマキリシマの群落は、ともに国指定天然記念物。北麓の飯田(はんだ)高原や南麓の久住高原とともに阿蘇くじゅう国立公園域の一部。法華院(ほっけいん)、長者原(ちょうじゃばる)、筋湯(すじゆ)などの温泉群が登山基地である。くじゅう、大船両火山群と黒岩火山群との間をやまなみハイウェイが走る。
 九重山はこれら火山群の総称であるが、九重(ここのえ)町と竹田(たけた)市都野(みやこの)地区では、「久住山」の表記をめぐって、議論がかわされている(前者は「九重山」を、後者は「久住山」を主張)。一般的には、火山群全体をさす場合に「九重山」「九重連山」「くじゅう連山」を用い、その主峰である単独の山をさす場合に「久住山」が用いられている。混乱を避けるため、観光宣伝では平仮名の「くじゅう」が用いられることが多く、国立公園名は「阿蘇くじゅう国立公園」とされている。[兼子俊一・諏訪 彰]

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精選版 日本国語大辞典の解説

大分県西部、久住山を主峰とする火山群の総称。久住火山群、大船(たいせん)火山群、黒岩火山群に分かれ、阿蘇くじゅう国立公園の一部に含まれる。

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