六部(仏教)(読み)ろくぶ

日本大百科全書(ニッポニカ)「六部(仏教)」の解説

六部(仏教)
ろくぶ

六十六部の略で、本来は全国66か所の霊場に一部ずつ納経するために書写された66部の『法華経(ほけきょう)』のことをいったが、のちに、その経を納めて諸国霊場を巡礼する行脚(あんぎゃ)僧のことをさすようになった。別称、回国行者ともいった。わが国独特のもので、その始まりは聖武(しょうむ)天皇(在位724~749)のときとも、最澄(さいちょう)(766―822)、あるいは鎌倉時代の源頼朝(よりとも)、北条時政(ときまさ)のときともいい、さだかではない。おそらく鎌倉末期に始まったもので、室町時代を経て、江戸時代にとくに流行し、僧ばかりでなく俗人もこれを行うようになった。男女とも鼠木綿(ねずみもめん)の着物に同色の手甲(てっこう)、脚絆(きゃはん)、甲掛(こうがけ)、股引(ももひき)をつけ、背に仏像を入れた厨子(ずし)を背負い、鉦(かね)や鈴を鳴らして米銭を請い歩いて諸国を巡礼した。

[藤井教公]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の六部(仏教)の言及

【六十六部】より

…正しくは日本回国大乗妙典六十六部経聖(ひじり)といい,江戸時代にはおとしめられて六十六部または六部の略称でよばれた回国聖。今も各地にこの回国供養碑を見ることができる。…

※「六部(仏教)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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