込上げる(読み)コミアゲル

デジタル大辞泉 「込上げる」の意味・読み・例文・類語

こみ‐あ・げる【込(み)上げる】

[動ガ下一][文]こみあ・ぐ[ガ下二]
喜怒哀楽の激しい感情が沸き上がってきて胸がいっぱいになる。また、こらえきれずにあふれ出る。「涙が―・げる」「怒りが―・げる」
胃の中の物が突き上げるように口の方へ出てくる。「吐きけが―・げる」
[類語](1湧き上がる湧き起こるあふれるこぼれるあふれ出るあふれ出す満ちあふれるはみ出るはみ出す湧く横溢おういつ充溢じゅういつ飽和沸沸ふつふつ澎湃ほうはい燃え上がる旺盛沸き上がる沸き立つたぎるみなぎるみなぎらす高ぶる発揚燃える燃え立つ鼻息が荒い血気にはや奮い起こす奮い立つもりもり隆隆盛ん鬱然勃勃油然ゆうぜん湧然むくむく気を吐くエネルギッシュ活発快活精力的あぶらが乗る水を得た魚のよう情熱的意欲的/(2むかむかもたれるむかつく胸が焼ける胸焼け吐き気気持ち悪いむかっとえずく戻す上げる吐く吐き出す反吐へど嘔吐吐瀉としゃげろつわり悪阻おそ二日酔い悪酔いべろんべろんぐでんぐでん

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精選版 日本国語大辞典 「込上げる」の意味・読み・例文・類語

こみ‐あ・げる【込上】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ガ下一段活用 〙
    [ 文語形 ]こみあ・ぐ 〘 自動詞 ガ下二段活用 〙
    1. 水や物などがいっぱいになってあふれ出る。
      1. [初出の実例]「わっちゃアまた有すぎて、ぞろぞろこみあげてくるのを、じっと辛抱して居る其つらさ」(出典:開化自慢(1874)〈山口又市郎〉初)
    2. 胃から食物が逆もどりして口の方へ出てくる。また、出てきそうになる。吐き気を催す。
      1. [初出の実例]「逆気でこみあくるほどに不能食ぞ」(出典:史記抄(1477)一四)
    3. 涙や笑いが、押えようとしても押えきれないであふれ出てくる。
      1. [初出の実例]「グウッグッとこみあげる、笑ひを外へもらさじと真赤になって」(出典:滑稽本・七偏人(1857‐63)初)
    4. 激しい感情がわき上がってきて、胸いっぱいになる。また、押えられない感情が、あふれて出る。
      1. [初出の実例]「お露は只もう嬉しいのが込み揚げて物が謂はれず」(出典:怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉四)
    5. さしこみが起こる。
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙
    [ 文語形 ]こみあ・ぐ 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙
    1. 食べたものをもどす。吐く。
      1. [初出の実例]「タベタ モノヲ komiageru(コミアゲル)」(出典和英語林集成初版)(1867))
    2. しぼりあげる。
      1. [初出の実例]「無念無念とはがみをなし、髪も眉毛も逆立て、五臓六腑をこみ上れは」(出典:浄瑠璃・摂州渡辺橋供養(1748)二)

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