奈良井(読み)ならい

精選版 日本国語大辞典 「奈良井」の意味・読み・例文・類語

ならいならゐ【奈良井】

  1. 長野県塩尻市地名江戸時代中山道贄川(にえかわ)藪原の間にあった宿駅

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百科事典マイペディア 「奈良井」の意味・わかりやすい解説

奈良井【ならい】

信濃国筑摩(ちくま)郡の中山(なかせん)道宿場町。長野県楢川(ならかわ)村(現・塩尻市)に属する。木曾(きそ)街道中山道の一部)の難所鳥居(とりい)峠の北麓に位置し,中山道の中で最高所の宿。中世には奈良井城が築かれていた。1601年宿駅に指定され,江戸時代後期の町の長さ8町5間,家数409軒で,本陣脇本陣問屋旅籠茶屋などのほか,木地屋・塗器屋・櫛屋などの木材加工業者を包含していた(《宿村大概帳》)。宿場時代の町並面影をとどめ,国の伝統的建造物群保存地区に指定されている。
→関連項目塩尻[市]

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改訂新版 世界大百科事典 「奈良井」の意味・わかりやすい解説

奈良井 (ならい)

信濃国筑摩郡(長野県木曾郡)の中山道の宿場町。木曾路の難所鳥居峠を控え,中世には木曾氏の北口の押えとして奈良井城が築かれていた。1601年(慶長6)宿駅に指定され,1843年(天保14)の記録によると,町の長さ8町5間,家数409軒で,本陣,脇本陣,問屋,旅籠,茶屋などのほか木地屋,塗器屋,櫛屋などの木材加工業者を包含し,特色のある宿場町を形成していた。1889年贄川(にえかわ)と合併し,楢川(ならかわ)村となった(2005年合併により塩尻市となる)。1978年伝統的建造物群保存地区に指定された。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「奈良井」の意味・わかりやすい解説

奈良井
ならい

長野県中央部、塩尻市(しおじりし)の南部を占める旧楢川村(ならかわむら)内の一地区。奈良井川上流、鳥居峠の北麓(ほくろく)にあり、近世は中山道(なかせんどう)木曽十一宿の一つとして繁栄した。現在も当時のようすがよく保存され、宿場町として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。問屋などを務めた手塚家住宅は国指定重要文化財。マリヤ地蔵とよばれる石仏のある大宝寺や宿の入口の二百地蔵などもあり、観光客が多い。

[編集部]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「奈良井」の意味・わかりやすい解説

奈良井
ならい

長野県中部,塩尻市南部にある集落木曾谷北部の奈良井川左岸に位置する。近世中山道木曾谷 11宿のうち最大の規模をもち,奈良井千軒といわれた。 1978年伝統的建造物群保存地域の指定を受け,妻籠とともに宿場景観の保存に努めている。北方の平沢とともに木曾漆器の産地としても知られる。南方には鳥居峠があって,信濃路自然遊歩道になっている。

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事典・日本の観光資源 「奈良井」の解説

奈良井

(長野県塩尻市)
中山道六十九次」指定の観光名所。

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世界大百科事典(旧版)内の奈良井の言及

【木曾路】より

…また木曾路の称が中山道の代名詞としてつかわれたこともあるが,これは木曾路の知名度の高さを示すものである。木曾路は分水嶺鳥居峠をはさんで,南と北に流れる木曾川と奈良井川(信濃川の上流)に沿って,南北に縦貫し,その間に贄川(にえかわ),奈良井,藪原,宮越(みやのこし),福島上松(あげまつ),須原,野尻,三留野(みどの),妻籠(つまご),馬籠(まごめ)の11宿が設けられ,また福島には江戸時代の四大関所福島関が置かれていた。宿駅は幕府の交通上の機関として設けられたものであって,各宿とも公用人馬の継立て,公式の宿泊・休憩などを担当する問屋場(とんやば)・本陣・脇本陣をはじめ,これらの業務にたずさわる問屋役・年寄役・伝馬役などの宿役人の家や,一般の旅人の休泊のための旅籠屋・茶屋,それに諸商人・諸職人の家など,200軒から400軒が街道に沿っていわゆる宿場町を形成していた。…

【楢川[村]】より

…人口3755(1995)。信濃川の源流奈良井川上流域を占め,木曾谷の北の入口にあたる。1889年奈良井贄川(にえかわ)の2村が合体,両者の名をとって楢川とした。…

※「奈良井」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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