日本大百科全書(ニッポニカ)「安養院」の解説
安養院
あんよういん
神奈川県鎌倉市大町にある浄土宗の寺。「あんにょういん」ともいう。祇園(ぎおん)山長楽寺安養院という。1225年(嘉禄1)北条政子(まさこ)が夫源頼朝(よりとも)の菩提(ぼだい)を弔うため阿弥陀如来(あみだにょらい)を本尊として長楽寺を建立。政子の発願による最後の寺で、願行上人を開基とする。1333年(元弘3・正慶2)焼失したため、尊観が当寺を善導寺跡に再建、合併した。以後、安養院という。1673年(延宝1)再度焼失し、比企谷(ひきがやつ)の田代(たしろ)観音堂を移し合併再建した。現在の本堂は1928年(昭和3)の再建。千手観世音菩薩(せんじゅかんぜおんぼさつ)は坂東(ばんどう)三十三札所第3番霊場の観世音として庶民の信仰を集める。
[清水 乞]