ISOが提唱し、標準化されたOSIにおける7つの層のこと。または、レイヤーのこと。
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コンピューターの構造と動作は、種々の抽象化(システムを眺める時の視点、システムのモデル)のレベルで理解することができる。そのレベルを層または階層と呼ぶ。処理の単位のサイズが細かくなる方向が下で、逆にサイズが大きくなる方向が上となる。下位ほど物理的な世界に近付き、上位ほど人間的な世界に近付く。各層では、直下の層のいろいろな機能を抽象化して要素(素子)とし、それらの要素を組み合わせて機能を実現している。階層構造は、情報ネットワークにつながった製造企業の異なるコンピューター相互間で、柔軟な通信を実現するOSI参照モデルなどで典型的に見られる。ハードウエアの構造についても同様の視点から理解することができる。コンピューターのハードウエアをレジスターと演算器の集まりであるという視点で見れば、メモリーと命令解読器と演算器から成り立っている。命令解読器の内部を子細に見れば、多くの論理素子が組み合わさって命令解読という機能を実現している。その論理素子の1つの論理否定素子(NOTゲート)の内部は、トランジスターや抵抗などの回路素子が組み合わさった電子回路。電子回路層では、回路を流れる電流と電圧の値が本質であるが、上位の論理回路層では、電流・電圧の大小を0と1に対応させ、その動きを2進数(記号)の論理演算であると解釈している。このように、各層はシステムを眺める視点の変化に対応しており、実際にはコンピューターの内部に、目に見えるような形で多層なハードウエアが積み重なっているわけではない。
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高い建物の階層の一つ一つ。しな。
「朱雀門の上の―に」〈今昔・二四・一〉
[名]
1 積み重なっているもの。重なり。「層をなす」
2 地位・身分・職業や生活状態・意識などによって区分した集団。階層。「国民の幅広い層に支持される」「ファンの層が厚い」
3 地層を区分するときの単位。累層。
[接尾]助数詞。建造物などの重なりを数えるのに用いる。「三層の塔」
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層は現代数学,とくに幾何学,関数論,さらには微分方程式論などで広範囲にわたって利用されている重要な概念である。層は非常に一般的な考えであり,数学における種々の概念を統一的に扱ったり,問題を定式化するのに有効な道具である。もともとは,1940年代後半に岡潔が多変数関数論の研究の中で,現在の前層にあたるものを利用した。岡はそれを不定域イデアルと呼んだが,他方同じころ,これとは独立にルレーJ.Leray(1906‐ )が同様なものを考えた。
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数学用語。たとえば解析多様体を考える場合に,各点の開近傍についてはその上の解析関数全体を考えることができるが,多様体総体として大域的に考えるためには,局所的に考えられたものを全体につないだものが考えられなければならない。このためにつくられたのが層の概念である。それは,位相空間 X の開集合 U ごとに集合 S(U) が考えられて,位相による U のつながりに関して S(U) がつながったものを考えればよい。 20世紀後半以降,さまざまの領域で層の概念が考えられ,いまでは圏の理論として抽象的に考えられるようになっている。
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地層を岩相単位で区分する場合に用いられる基本的な単位で、部層より一段階上、層群より一段階下のもの。累層ともいう。通例、岩質の点で同一の特徴をもった一連の地層で、岩質の急変するところで層を区分する。層にはさまざまな厚さのものがあるが、普通、地質図に表記できる程度のものが用いられる。命名するときは、模式地名をつけて、たとえば成田層というように用いられる。層はかならずしも部層に区分されるとは限らない。
[村田明広]
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〘名〙 建築物の階の重なり。建物の屋の階層。しな。
※書紀(720)舒明一一年一二月(図書寮本訓)「百済川の側(ほとり)に九の重(コシ)の塔を建つ」
[1] 〘名〙
① かさなっていること。また、かさなりの一つ一つ。累積。〔五国対照兵語字書(1881)〕
※竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生の散歩「水に近い下から上へ順々に層をなして、緑から藍に、藍から紫紺に、紫紺から紫がかった紅ゐに」 〔潘岳‐為賈謐作贈陸機詩〕
② 能力や職業、生活状態、意識などが等しい集団のかさなり。「読者層」「層が厚い」 〔大増補改訂や、此は便利だ(1936)〕
③ サンプリング調査で層化抽出法を行なう際、母集団を分割して得られるおのおのの群。
[2] 〘接尾〙 建造物などのかさなりを数えるのに用いる。階。
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一「『ガラントホテル』は、屋の高さ五層にて」 〔梁書‐処士伝〕
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出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報