年金制度[アメリカ合衆国](読み)ねんきんせいど[アメリカがっしゅうこく]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

年金制度[アメリカ合衆国]
ねんきんせいど[アメリカがっしゅうこく]

アメリカの社会保障制度は連邦政府と州政府との2本建てである。中軸は連邦政府直営の老齢遺族・障害・健康保険 (OASDHI) で財政方式により年金保険の老齢・遺族・障害年金保険 (OASDI) と老人健康保険のメディケア (HI) に分けられる。 OASDIは被保険者に退職,死亡,障害の事故が発生した場合,保険により従前生活水準の低下を防ぐために所得の一部を補填する制度である。強制加入の被保険者は民間企業の被用者,決められた所得水準以上の自営業者である。老齢給付は満 62歳以上の適格被保険者,62歳に達したその配偶者に与えられる。 65歳からは完全年金を支給されるが,65歳未満では減額年金になる。ただし配偶者加給は 16歳未満の子,障害児を持つ場合は減額されない。適格期間は 21~61歳で,最低 40四半期数が必要である。遺族給付は 60歳以上の配偶者に与えられる。障害者は 50歳から,16歳未満あるいは障害児を持つ寡婦 (寡夫) には年齢に関係なく支給される。 18歳未満の未婚の子にも支給される。障害給付は完全被保険者資格を保有する者,それに準じる者を対象とする。給付額の算定基礎は在職平均所得額である。

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