日野(町)(滋賀県)(読み)ひの

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日野(町)(滋賀県)」の意味・わかりやすい解説

日野(町)(滋賀県)
ひの

滋賀県中東部、蒲生郡(がもうぐん)にある町。1889年(明治22)町制施行。1955年(昭和30)東桜谷(ひがしさくらだに)、西桜谷、西大路(にしおおじ)、鎌掛(かいがけ)、南比都佐(みなみひづさ)、北比都佐の6村と合併。鈴鹿山地(すずか)の西麓(せいろく)にあり、大部分は山地と古琵琶湖(びわこ)層群の丘陵で、日野川と佐久良川(さくらがわ)の段丘上に集落が立地する。近江鉄道(おうみてつどう)本線、国道307号、477号、日野水口(みなくち)道路(グリーンバイパス)が通じる。天文(てんぶん)年間(1532~1555)には蒲生氏城下町として発達、鞍(くら)や鉄砲の生産で著名であった。また「日野屋」と称する近江商人の出身地としても有名で、その伝統は今日にまで継承されている。米作畜産を中心とする農業と林業のほか製薬業が盛ん。住宅団地や工業団地も造成されている。鎌掛谷のホンシャクナゲ群落熊野のヒダリマキガヤなどの国指定天然記念物がある。面積117.60平方キロメートル、人口2万0964(2020)。

高橋誠一

『『近江日野町志 復刻版』全3巻(1986・臨川書店)』


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