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海人(海士) あま

世界大百科事典 第2版の解説

あま【海人(海士)】

能,地歌,長唄,歌舞伎舞踊の曲名。(1)能の曲名。観世流は〈海士〉と書く。五番目物。世阿弥以前の作。シテは海人の女の霊。大臣藤原房前(ふささき)(子方)は生母が讃岐(さぬき)の志渡の浦の海人だと知ってその地を訪れる。来かかった海人に尋ねると,生母の死の経緯を知っていた。かつて唐土から送られた宝珠が,途中で竜神に奪われた。わざわざこの地まで来た藤原淡海は,契りを交わした海人に宝珠の奪還を命じ,生まれた子を後継ぎにすると約束した。

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世界大百科事典内の海人(海士)の言及

【安曇磯良】より

…これの類話は《八幡愚童訓(はちまんぐどうくん)》や16世紀の《塵添壒囊抄(じんてんあいのうしよう)》にも見えるが,いずれも〈安曇磯良〉となっている。安曇氏は海人(あま)を宰領した古代豪族で,おそらく安曇磯良は海人の間に伝承された半神半人のシャーマンであったかと思われる。面貌の醜怪さはシャーマンの風貌を説話化したものであろう。…

【伊弉諾尊・伊弉冉尊】より

…その後イザナキは筑紫の日向の橘の阿波岐原(あわきはら)で禊(みそぎ)をするが,その際の投棄物からさまざまな防塞神,また禊のなかで汚れやこれを改める神,海神などが出現し,最後に3貴子が誕生する。イザナキ・イザナミは本来淡路島を中心とする海人(あま)族の信奉した神で,海人族の宮廷奉仕とともにその伝承が宮廷に取り入れられ,その後多くの伝承がこの2神に集約されたことが予想できる。だが,以上に述べたように記紀神話における2神の地位はきわめて重要であると言わねばならない。…

【麻績王】より

…麻績王の配流地についてほぼ同時代の史料がまったく異なる場所を伝えるわけだが,因幡には伊良子(いらこ)崎があり,《日本書紀》のいう場所がそこだとすれば,3ヵ所はイラコ,イラゴ,イタクという相似した地名を持つことになる。さらにいずれも海に面した海人(あま)の生業の地という共通点を示す。《万葉集》の歌は流離の王の身の上を海人に見立てて同情している趣のもので,それよりすれば当時漁業・航海に従事し,ともすれば流浪の生活を余儀なくされた海人たちが,王の境遇に共感しつつ,説話的人物として各地に伝えたものと考えられる。…

【潜水漁業】より

…イソバを求めてかつては広範囲に移動し,そのまま定住したと伝えるムラが,西日本には各地に存在する。海人(あま)【高桑 守史】。…

【琵琶湖】より

…人工河川がつくられたとはいえ,アユの将来を憂慮する声も高い。【川那部 浩哉】
【歴史】

[古代]
 〈淡海〉といわれ,国名にもなった琵琶湖の縁辺に住みついた海人(あま)について,羽原又吉,橋本鉄男は瀬戸内海から淀川水系を通ってきた系統および伊勢湾から鈴鹿をこえて入ってきた系統と,日本海から湖北に入ってきた系統とに分けて考えている。いずれにせよ,この湖に朝鮮半島から渡来した移住民が多数流入していることは間違いない。…

※「海人(海士)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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