(読み)はん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


はん

(1) 印刷にあたって,印刷インキなどを紙などの被印刷体に転写させるための面をもつ用具。 (2) 版木。 (3) 一つの版から印刷された書物総称。最初の版で印刷されたものを第1 (初) 版,改訂増補などを加えるに従い第2版,第3版などと呼ぶ。 (4) 書物の装丁や用紙の相違による区別。保存版,普及版など。

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デジタル大辞泉の解説

はん【版】

[名]
印刷で、インキを紙面に移す仲立ちとなるもの。印刷版や版木(はんぎ)。版式により、凸版凹版平版、また木版活版などがある。
印刷版や版木を用いて印刷すること。また、出版すること。「を重ねる」
(「ばん」の形で、他の語の下に付いて)
㋐新聞や雑誌などが、その地域や読者層に向けて作ったものであることを表す。「地方」「学生求人サイト」
㋑あるものを、その様式で作り替えたことを表す。作り替えたように似ていることにもいう。「映画『伊豆の踊子』」「男性シンデレラ」
[接尾]助数詞。出版物の刊行回数を数えるのに用いる。上に来る語によって「ぱん」ともなる。「第三

はん【版】[漢字項目]

[音]ハン(漢) バン(慣)
学習漢字]5年
〈ハン〉
板。「版築
文字を書く木の札。戸籍簿。「版籍版図(はんと)
印刷のために文字や絵を彫った板。「版画版木(はんぎ)凹版解版活版(かっぱん)孔版図版製版凸版(とっぱん)平版木版
印刷して本を出すこと。「版権版行官版(かんぱん)重版出版(しゅっぱん)初版新版(しんぱん)
〈バン〉34に同じ。「芋版(いもばん)瓦版(かわらばん)石版(せきばん)銅版写真版謄写版

へん【版】

朝廷の儀式のとき、参列者の位置を示すため、目印として置かれた木の板。

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図書館情報学用語辞典の解説

“(1)同一出版者が同一原版を用いて発行する刊行物の刷り.(2)同一マスターを用いたコピーの全体”(『日本目録規則1987年版改訂3版』用語解説).印刷原版やマスターなどに変更がなされたもの,すなわち著作の内容に改訂などの変更が加わったもの(第2版,改訂版など)を始めとして,外装にのみ差があるもの(豪華版縮刷版など)や,著作の形式や用途の違いによるもの(日本語版,抄録版など)も,特定の版とみなされる.また,勅版官版,駿河版,古活字版などの書誌学の用語は,出版者,出版地,版式などの意で「版」という表現を用いたものである.

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精選版 日本国語大辞典の解説

はん【版】

〘名〙
① 印刷で、インキを紙面につける仲立ちとなるもの。凸版・凹版・平版などの種類がある。印刷版。版木。板。
※天草本伊曾保(1593)扉「コレヲ fanni(ハンニ) キザム モノ ナリ」
※咄本・醒睡笑(1628)一「小雨ふり、版に刷りたる紙ぬれけり」
② ①の大きさ。版面。転じて、書籍などの大きさをいう。ばん。
※丸善と三越(1920)〈寺田寅彦〉「大抵版が大きくて値段も高い」
③ 印刷すること。また、印刷して刷り物、書物を作ること。また、増刷などして作製する場合、その一回分を数えるのにいう。「初版」など。すり。
※我等の一団と彼(1912)〈石川啄木〉一「第一版の締切が何時? 五時だらう?」
※雲がくれ(1959)〈唐木順三〉「『置土産』は〈略〉元祿六年(一六九三年)に初めて版となった」
④ ⇒はん(板)

ばん【版】

〘名〙
① =はん(版)
※流行(1911)〈森鴎外〉「Times(タイムス)かと思ふ広い版(バン)の新聞が一枚」
② =はん(板)
※空華日用工夫略集‐応安五年(1372)七月一日「自今始宜版、四時坐禅」

へん【版】

〘名〙 (「へん」は「版」の呉音) 元日節会などの朝廷の儀式の時、参列者の位置を示すため、目印として置かれた木の板。令制では七寸(約二一センチメートル)四方、厚さ五寸(約一五センチメートル)の板に、皇太子以下参列者の位階を漆で書いた。また、それに定められた順位。へんに。へんい。
※内裏式(833)七日会式「経左近陣南版」

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世界大百科事典内のの言及

【製版】より

…印刷に用いる版を製作すること。インキジェット印刷のように版を用いない方法も開発されているが,現在の印刷は,まず原稿から版を作り,これにインキをつけて,紙,あるいは他の物体に押しつけて原稿と同じ模様をうつすという方式がほとんどである。…

※「版」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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