短兵急（読み）タンペイキュウ

デジタル大辞泉

たんぺい‐きゅう〔‐キフ〕【短兵急】

［形動］［文］［ナリ］
１ だしぬけであるさま。ひどく急なさま。「あまりにも短兵急な話で対処に困る」「短兵急に結論を急ぎすぎる」
２ 刀剣などをもって急激に攻めるさま。
「官軍弥いよいよ勝に乗って―に拉とりひしぐ」〈太平記・一五〉
[類語]ひょっこり・打ち付け・ぶっつけ・急・にわか・出し抜け・突然・急遽きゅうきょ・唐突・不意・忽然・俄然・突如・いきなり・不意に・ふと・矢庭に・ふいと・ふっと・つい・ついつい・ついと・つと・ひょっと・ひょい・はた・思わず・思わず知らず・思いがけず・はしなく・はしなくも・図らず・図らずも・時ならず・忽たちまち・卒然・藪やぶから棒・寝耳に水・突発的・発作的・反射的・青天の霹靂へきれき

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

たんぺい‐きゅう‥キフ【短兵急】

1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙
2. ① 短い武器をもって勢いよく攻めたてるさま。短兵ただちに。
   1. [初出の実例]「相従ふ兵僅に二十余騎に成しかば、敵三千余騎の真中に取籠て、短兵(タンヘイ)急に拉(とりひし)がんとす」(出典：太平記（１４Ｃ後）一〇)
3. ② 転じて、息もつかせず勢い急に攻めるさま。転じて、突然ある行動を起こすさま。ただひたすらに、その事を行なうさま。だしぬけ。いきなり。
   1. [初出の実例]「貴殿と某両人が、心を堅むる事を知らば敵心を赦さずして、たんぺいきうに若君を、殺害せんも計られず」(出典：浄瑠璃・伽羅先代萩（1785）八)

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