デジタル大辞泉
「つと」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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つ‐と
- 〘 副詞 〙
- ① 動かないで、ある状態をずっと続けるさまを表わす語。じっと。
- [初出の実例]「誰と聞えし人の子ぞ。もし心ならで参り来ずとも、つと思ひとりてなむあるべき」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
- ② 勢いよくすばやいさまを表わす語。さっと。ふと。急に。つっと。
- [初出の実例]「むつかり給ふを、宮きこしめして、女ぎみをつとかきよせて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開下)
- ③ すきまなく密着したさまを表わす語。ぴたっと。ぴったりと。ひたと。
- [初出の実例]「御胸つとふたがりて、つゆまどろまれず、明かしかねさせたまふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内のつとの言及
【髪形】より
…貞享(1684‐88)のころに髱刺(たぼさし)というものが生まれ,これによって技巧的な髱が結われ,優美なカーブを描く洗練された髱として,セキレイの長い尾の形をした〈せきれい髱〉,カモメの舞い飛ぶ姿からとった〈かもめ髱〉などの名で呼ばれた。関西では髱を〈つと〉と呼んだ。髷は前期からの兵庫髷をはじめとして島田髷系統,笄(こうがい)髷系統が発達した。…
【包み】より
…〈包む〉という語は〈苞(つと)〉と語源を同じくするが,〈苞〉とはわらなどを束ねてその両端を縛り,中間部で物をくるむもの(藁苞(わらづと))であり,後には贈物や土産品の意味(家苞(いえづと))にも使われるようになった。また心理的方面においては〈包む〉は〈慎しむ〉に通じて〈隠す〉〈秘める〉〈はばかる〉といった意味合いを含み,ことに儀礼的局面におけるさまざまな〈包み〉の技法の心理的背景となってきた。…
【土産】より
…旅先や外出先でその土地の産物を求めて帰り,家族や[餞別](せんべつ)をくれた者などに配る品,また人を訪問する際に持参するいわゆる手みやげをもいう。古くはつと(苞)と称し,〈家づと〉〈都のつと〉などと用いた。つとは納豆を包んだりするわらづとなどにその名をとどめているように,元は持ち運びに便利な包物のことを指した。…
※「つと」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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