ふと(読み)フト

デジタル大辞泉 「ふと」の意味・読み・例文・類語

ふ‐と

[副]
はっきりした理由意識もないままに事が起こるさま。思いがけず。不意に。ふっと。「ふと立ち止まる」「夜中ふと目がさめた」
素早く容易に行われるさま。すぐに。即座に。
「竜あらば、―射殺して」〈竹取
動作の敏速なさま。つっと。
「猫また、あやまたず足もとへ―寄り来て」〈徒然・八九〉
[補説]「不図」「不斗」などと当てても書く。
[類語]ひょっこりふっと打ち付けぶっつけにわか出し抜け突然急遽きゅうきょ唐突短兵急不意忽然俄然突如いきなり不意に矢庭にふいとついとつとひょいはた時ならずたちま卒然藪から棒寝耳に水突発的発作的反射的青天の霹靂へきれき思わず思わず知らずうっかり知らず知らず無意識ひょっと覚えず我知らず何気無しついついつい我にもなくうかうかうかと不覚不用意ひょっと思いがけず図らずもはしなくもゆくりなくあいにく折あしく折もあろうにはしなく図らず無意識的鈍感鈍いうかつ無自覚無感覚無責任無神経不注意散漫ぬかり手落ち手抜かりそつ手抜き遺漏疎漏抜かるノーマーク潜在意識無意予想外意想外ひょんな思いも寄らない

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ふと」の意味・読み・例文・類語

ふ‐と

  1. 〘 副詞 〙
  2. 行為・状態の変化などが急で突然であるさま。急に。即座に。にわかに。
    1. [初出の実例]「我名はうかんるりと言ひて、ふと山の中に入りぬ」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  3. 偶然になされるさま。ちょっとしたきっかけや思いつきで行なうさま。ひょいと。はからずも。とっさに。
    1. [初出の実例]「されど子安貝をふと握り持たれば」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))

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普及版 字通 「ふと」の読み・字形・画数・意味

【浮】ふと

梵語buddhaの音訳。仏。仏教浮図。〔後漢書、襄楷伝〕又、宮中老・の祠を立つと聞く。此の、無爲を貴す。

字通「浮」の項目を見る

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