俄然(読み)がぜん

精選版 日本国語大辞典「俄然」の解説

が‐ぜん【俄然】

[1] 〘形動タリ〙 にわかなさま。だしぬけなさま。突然なさま。「然として」の形で詞的に用いられる場合が多い。〔文明本節用集(室町中)〕
※星座(1922)〈有島武郎〉「園の心の奥底に俄然として起り俄然として消えた電光」 〔荘子‐斉物論
[2] 〘副〙
① だしぬけに。急に。突然。
※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉五「人心の自然にして俄然(ガゼン)相整ひがたきは必定の理」
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉三「大音声に話して居るかと思ふと、俄然声を低めて」
② 動作、状態を強調するのに用いた、昭和初期の流行表現。
※漫談集(1929)漫談の漫談〈大辻司郎〉「この大人の行末を期待して居りましたが、これが俄然反対で九つの春に脳膜炎を病(わづら)って頭のぜんまいが、すっかりゆるんで」

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デジタル大辞泉「俄然」の解説

が‐ぜん【×俄然】

[ト・タル][文][形動タリ]にわかなさま。
「毎年夏の初めに、多くの焼芋屋が―として氷水屋に変化するとき」〈漱石それから
[副]突然ある状態が生じるさま。急に状況が変わるさま。にわかに。「梅雨があけたら俄然暑くなった」
[補説]文化庁が発表した令和2年度「国語に関する世論調査」では、「がぜん」を、本来の意味とされる「急に、突然」で使う人が23.6パーセント、本来の意味ではない「とても、断然」で使う人が67.0パーセントという逆転した結果が出ている。
[類語]ひょっこり打ち付けぶっつけにわか出し抜け突然急遽きゅうきょ唐突短兵急不意忽然突如いきなり不意にふと矢庭にふいとふっとついついついついとつとひょっとひょいはた思わず思わず知らず思いがけずはしなくはしなくも図らず図らずも時ならずたちま卒然やぶから棒寝耳に水突発的発作的反射的青天の霹靂へきれき

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普及版 字通「俄然」の解説

【俄然】がぜん

にわかに。ふと。〔荘子、斉物論〕昔(さきに)蝴蝶と爲る。栩栩(くく)然として蝴蝶なり。~俄然として覺む。則ち(きよきよ)然としてなり。

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