精選版 日本国語大辞典「俄然」の解説
が‐ぜん【俄然】
※星座(1922)〈有島武郎〉「園の心の奥底に俄然として起り俄然として消えた電光」 〔荘子‐斉物論〕
[2] 〘副〙
① だしぬけに。急に。突然。
※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉五「人心の自然にして俄然(ガゼン)相整ひがたきは必定の理」
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉三「大音声に話して居るかと思ふと、俄然声を低めて」
② 動作、状態を強調するのに用いた、昭和初期の流行表現。
※漫談集(1929)漫談の漫談〈大辻司郎〉「この大人の行末を期待して居りましたが、これが俄然反対で九つの春に脳膜炎を病(わづら)って頭のぜんまいが、すっかりゆるんで」
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