(読み)カイ

デジタル大辞泉 「絵」の意味・読み・例文・類語

かい【絵〔繪〕】[漢字項目]

[音]カイ(クヮイ)(漢) (ヱ)(呉)
学習漢字]2年
カイ彩色を施して描いたもの。え。「絵画
〈エ〉に同じ。「絵師絵図絵本絵馬油絵影絵口絵砂絵墨絵錦絵蒔絵まきえ浮世絵似顔絵

え〔ヱ〕【絵/画】

物事情景を、色・線・形などによって、平面上に写し表したもの。絵画。
ある情趣を感じさせるありさま光景
「母が乏しい髪を工面して、何うか斯うか髷に結い上げる様子は…夫程見栄のある―ではないが」〈漱石・彼岸過迄〉
テレビなどの画面映像。「音声だけで、―が出ない」
[類語]絵図絵画図画図絵素描イラストイラストレーションスケッチデッサンカットクロッキー

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「絵」の意味・読み・例文・類語

【絵】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「え」は「絵」の呉音 )
  2. ものの形や有様、あるいは心の内にあることを、平面上に描き表わしたもの。絵画。
    1. [初出の実例]「わが妻も画(ゑ)に描きとらむ暇(いつま)もが旅行く吾は見つつしのはむ」(出典万葉集(8C後)二〇・四三二七)
    2. 「うへはよろづの事にすぐれて、ゑを興ある物におぼしたり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)絵合)
  3. はたから見て、ある情趣を感じるような有様。光景。
    1. [初出の実例]「サンパンと云ふ船が此処彼処に浮かんで〈略〉帆を上げてゐる。〈略〉日本では見られない絵(ヱ)である」(出典:満韓ところどころ(1909)〈夏目漱石〉四〇)
  4. 映画、テレビの映像、画面を俗にいう。
    1. [初出の実例]「同館上映映画の内、余が印象に最も深き物。〈略〉各々の画(ヱ)に、各々の思ひ出を持つ」(出典:夢声半代記(1929)〈徳川夢声〉月給十円時代余録)

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普及版 字通 「絵」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

(旧字)繪
19画

[字音] カイ(クヮイ)・エ(ヱ)
[字訓] え・えがく

[説文解字]

[字形] 形声
旧字は繪に作り、声符は會(会)(かい)。〔説文〕十三上に「五を會(あつ)めたる(ぬひとり)なり」とあり、五色の刺による絵模様をいう。

[訓義]
1. え、えぎぬ、ぬいとり。
2. いろどり、いろどる。
3. えがく。

[古辞書の訓]
名義抄〕繪 ホソイヌノ・ヱ 〔字鏡集〕繪 ホソイヌノ・ヱ・イロドル・ヱガク

[語系]
會・繪huat、kuatは声近く、みな会聚の意がある。ただ會はもと蓋のある食器。これを会合・会集の意に用いることは列国期以後、秦の〔羌鐘(ひゆうきようしよう)〕や虎符の類に至ってみえる。従って繪の字の成立は、それより以後とみてよい。〔論語、八〕には「繪事」の語がある。

[熟語]
絵画・絵絢・絵事・絵飾・絵真・絵図・絵製・絵染・絵塑・絵素・絵像
[下接語]
華絵・錦絵・刻絵・彩絵・作絵・絵・図絵・垂絵・設絵・素絵・装絵・藻絵・品絵・文絵

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